音楽ファイル違法DL年間12億 動画サイト利用実態報告で

 日本レコード協会は、今年4月より「動画サイトの利用実態調査検討委員会」(座長:濱野保樹 東京大学教授)を中心に進めていた動画サイト利用実態調査の結果を公表した。この調査は、国内の動画サイトの利用状況を把握し、動画サイトが音楽のビジネスモデルにもたらす影響などについて考えるために実施された。
 今回まとめられた報告書からは、動画サイトが幅広く利用されていること、それが社会インフラのひとつになっていることが明らかになっている。また、動画サイトは、ユーザーが音楽で会う機会やクリエイターなどに作品発表の場を提供することで利便性の向上に寄与している。

 一方で、動画サイトはネガティブな側面も持ち合わせている。報告によれば、動画サイトからダウンロードされている音楽関連ファイルの多くは違法なコンテンツで、その総数は年間12億ファイルと推計する。また、動画サイトが音楽CDやDVDの購入、レンタル、さらに有料配信への支出にマイナスの影響を与えていると推測されるとしている。
 そのうえで報告書は、動画サイトは既に幅広く浸透しており、音楽業界やインターネットなどの関係者は、ユーザーに対して従来とは異なる付加価値を提供できるサービス、商品を模索する必要があるとする。動画サイトの存在を前提とした新たなビジネスの進化を提案する。

 報告書は34ページにわたり、日本レコード協会の公式サイトでも公開されている。詳しい報告書には、個別の興味深い結果も多い。
 例えば、動画サイトの利用と消費行動の相関関係である。動画サイトについては、広告効果と商品購入需要を奪う効果があると、異なる意見が存在する。しかし、今回の調査では、音楽に対して積極的な層ではその利用が支出を拡大させる傾向があり、一方で消極的な層では音楽消費の一部を動画サイトが代替する傾向があるとしている。
 また、動画サイトからダウンロードされるファイルの利用が多いものでは、ポップス(邦楽)、ポップス(洋楽)に続いて、アニメ音楽やサウンドトラックが位置する。国内の音楽業界で注目されるアニメ音楽は、動画サイトの世界でも大きな存在を占めていることが分かる。

日本レコード協会 http://www.riaj.or.jp/