講談社 コミコンデビュー 北米発売マンガタイトル披露

 7月21日、米国サンディエゴで開催されているコミコン(コミコン・インターナショナル)に、講談社が登場した。講談社コミックスはコミコンの会場で、パネルと呼ばれるイベントを開催、同社が今後発売を予定する目玉タイトルを一気に披露した。
 同社はかねてより、自社レーベルでの北米市場参入の機会を窺ってきた。実際に本格的な展開がスタートしたのは、北米のマンガ出版デルレイを通じて行ってきたランダムハウスとの提携内容を変更した2010年10月である。それまでのライセンス販売でなく自社レーベルによる発売に切り替えたものだ。
 その後も、『セーラームーン』の新翻訳での再発売、青年向けマンガを得意とする現地のマンガ出版社ヴァーティカルへの出資など矢継ぎ早に行動する。6月第1週には、赤松健さんの『魔法先生ネギま!』29巻がニューヨークタイムズの週間ベストセラーマンガ部門で1位になるなど順調な滑り出しとなっている。
 一方で、講談社コミックスは、これまで公式サイトなどを設けておらず、ファンイベントの参加もなかった。コミコンが、講談社がファンの前に事実上デビューする場となった。

 発売タイトルの目玉となったのは、北米では長らく出版が途絶えていた武内直子さんの『美少女戦士セーラームーン』、そして今回初めての発売となる『コードネームはセーラーV』である。『コードネームはセーラーV』は、『セーラームーン』の姉妹作品ともいえる作品で、ファンの関心を惹きそうだ。
 発売にあたっては、翻訳は新しくなり、前回の発売の際に変更されていたキャラクターの名前も日本版のままとする。さらに武内直子さんの描き下ろしの表紙など、本作にかなり力を入れていることが分かる。かつて大ブームを巻き起こし、世界的にリバイバルの機運が高まっているだけに、今後の動向も注目だ。

 また、米国で人気の高い『魔法先生ネギま!』の紹介にも多くの時間が割かれた。『ラブひな』の出版も予定しており、赤松作品に対する期待もまた大きい。
 さらに『Fairy Tail』、『しゅごキャラ!』、『東京ミュウミュウ』、『逆転裁判』、『どうぶつの国』、『BLOODY MONDAY』、『エデンの檻』、『ゴン』、『マルドゥック スクランブル』、『FULL MOON』と続く。北米市場を狙ったかなり良質のラインナップである。レーベル立ち上げにあたり、相当市場研究をしたことが窺える。
 こうした作品の選択には、編集や流通などの部分で引き続き講談社と提携するデルレイの役割もあったかもしれない。同社は良質の作品をピックアップして発売することに定評があったからだ。

 作品のラインナップが揃ってくると次に気になるのは、作品をファンのもとに届ける流通と認知度を引き上げるマーケティングである。パネルでは講談社コミックスは、主要な書店やアマゾンなどのネットショップなどで広く購入出来ると説明された。
 マーケティングについては、会場からは講談社コミックスのファンに向けた情報不足に対する質問もあった。これについてFacebookなどの開設も予定しており、新メディアも含めて積極的に取り組みたいとのことだった。事業の本格化と共に、今後は売り込みにも力が入りそうだ。