東京国際映画祭 今年はアニメーション企画部門なしに

 9月16日に、第22回東京国際映画祭の開催記者会見が東京・六本木ヒルズで行われた。記者会見は開催1ヶ月前に迫った映画祭の全容を明らかにするものである。この日の記者会見と合わせて、インターネット上ででは映画祭の公式サイトもグランドオープンしている。
 記者会見には、財団法人日本映像国際振興協会理事長の高井英幸さん、映画祭のチェアマンの依田巽さん、そして映画祭大使の木村佳乃さんとグリーンアンバサダーの杏さんが挨拶を行った。さらに日本からコンペティション部門に『ACASIA』を出品する監督の辻仁成さん、その主演となるアントニオ猪木さんも姿を見せた。

21.9.16

 今回の映画祭について依田チェアマンコメントは、「地球に住み、地球で映画を作り、その映画で幸せを皆様にお届けする映画業界人としてグリーン、エコロジーをテーマに昨年から取り組ませていただいております」とあらためて環境問題への強い取り組みをアピールした。
 さらに「今年はホップ、ステップ、ジャンプのステップの年とし、無事成功を収められるように努めます」と、映画祭がさらなる飛躍を遂げる意欲を見せた。また、木村佳乃さんと杏さんも、映画祭の広報に力を注ぎたいとした。

 環境問題については、「自然と人間の共生」をテーマにしたnatural TIFF部門が今年も設けられる。昨年に引き続き、環境をテーマにした作品だけを上映するユニークな部門である。
 映画祭の自主企画には、このほか主要企画となるコンペティション、特別招待作品、アジアの風、日本映画・アル視点、WORLD CINEMAとしておよそ270本に及ぶ映画を上映する。

(c) 2009 りんたろう・マッドハウス/「よなよなペンギン」フィルムパートナーズ・DFP
(c) 2009 りんたろう・マッドハウス/「よなよなペンギン」フィルムパートナーズ・DFP

 このうち特別招待作品には、先頃、ヴェネチア映画祭でも招待作品として上映され注目を浴びた『よなよなペンギン』が上映される。映画は今年12月23日公開予定だが、東京国際映画祭が国内初上映となる。
 また、海外の作品でも既に高い評判を獲得してディズニー/ピクサーによる『カールじいさんの空飛ぶ家』(ピート・ドクター監督)がクロージング作品として上映される。話題の超大作3D映画『アバター』のスペシャル・プレゼンテーションが行われることも、世界的に注目を浴びそうだ。

  しかし、アニメーション作品にとっては、全体に寂しい結果となった。国内外合わせても、映画祭で上映されるアニメーション映画は、およそ270本のうち上記の2作品にとどまっている。
 さらに、過去数年間、日本アニメを集中的に紹介してきた共催企画のanimecsTIFFが、今年は設けられなかった。東京国際映画祭では、2005年にもCGアニメーションに特化した特別企画「東京国際CG映像祭」も取り止めている。animecsTIFFもここ数年は縮小傾向になっていたが、企画自体が消えてしまったことは日本の映画文化の一翼を担うアニメにとって寂しい結果である。
 
 とりわけ日本アニメは、ここ数年で世界でも最も注目される幾つもの映画祭でコンペティション出品されている。また、今年はロカルノ国際映画祭で日本アニメーションの大特集が組まれたほか、米国映画芸術科学アカデミーで日本アニメの特集展覧会が開催された。
 海外の映画界からの日本アニメへの関心はかつてないほど高まっている。そうした中で、日本からのアニメーション映画に対する情報発信不足は、やや残念なものである。 

第22回東京国際映画祭 http://www.tiff-jp.net/ja/

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