ミコット・エンド・バサラが自己破産 劇場アニメも手がける

 帝国データバンクの大型倒産速報によれば、映像製作会社のミコット・エンド・バサラが自己破産し、4月21日より破産手続きを開始した。2010年3月末時点の負債総額は19億3800万円としている。
 ミコット・エンド・バサラは、1997年に有限会社ミコットとしてスタート。映像の企画・開発、マネジメントに特化する独自のコンセプトを掲げた事業モデルでスタートした。権利関係が複雑とされる日本の映画・映像業界のなかで異彩を放っていた。

 同社は『キサラギ』や『僕らのワンダフルデイズ』といった実写映画だけでなく、劇場作品を中心にアニメも積極的に取り扱ってきた。とりわけ早くからフルCGアニメーションの可能性に目をつけていた企業である。
 その代表作は2004年に士郎正宗さんのマンガを原作に、荒牧伸志監督、曽利文彦プロデューサーと大物が参加した『アップルシード』である。日本の劇場アニメでは当時珍しかったモーションキャプチャを大きく取り入れた本作は、国外では日本アニメを代表するほどの大ヒットとなった。2007年にはその成功を受けて同じ荒牧伸志監督で『エクスマキナ -APPLESEED SAGA』も製作し、こちらもヒットとなった。ミコット・エンド・バサラのマネジメント・調整能力が発揮されたものといえる。このほかにも2006年のCGアニメーション『アタゴオルは猫の森』、ストップモーション・アニメーション『こま撮りえいが こまねこ』などを手がける。

 しかし、一方で近年はヒット作に望まれず、業績は低迷していたとみられる。また、2008年にはテレビアニメシリーズ『アップルシード ジェネシス』の委託において、制作受注企業と互いに訴訟を起こすトラブルも起きていた。自らが制作を行わない同社の弱みが表れたかたちだ。
 また本年6月より、新たに仕切り直された新シリーズ『アップルシードⅩⅢ』の劇場公開、映像パッケージ、オンライン配信をスタートする予定だった。しかし、その資金回収まで会社が持ちこたえられなかった。『アップルシードⅩⅢ』については、今後新しい枠組みで事業が継続されると見られる。

 ミコット・エンド・バサラのような映像プロデュース特化型の企業は、米国のハリウッドを中心に海外では少なくない形態である。企画のアレンジやマネジメント、ライセンス関連が中心となるこうしたビジネスは高収益であるためだ。
 一方で、受注制作で利益を得る制作会社や、完成作品の配給から利益を得る配給会社に比べて、その業績は作品の当たり外れに左右されがちで、完成保証も含めリスクの大きな分野でもある。とりわけ製作に自らが投資する際には、こうしたリスクが高まる。そうしたなかでのヒット作不在が、ミコット・エンド・バサラの事業に大きな影響を与えたと言えそうだ。

ミコット・エンド・バサラ http://www.micott.jp/