VIZ Picturesがブランド再構築 NEW PEOPLEが全面に

 米国・サンフランシスコ市に本社を持つエンタテインメント企業VIZピクチャーズ(VIZ Pictures)が、事業を再構築する。サンフランスコのジャパンタウンで運営するポップカルチャーセンター「NEW PEOPLE」のブランドを全面に押し出し、これまでの事業を運営する体制をスタートさせた。
 VIZピクチャーズが行なってきた映画配給とそのライセンス事業は、NEW PEOPLEエンタテインメント(NEW PEOPLE Entertainment)が引き継ぐ。そしてカルチャー複合施設「NEW PEOPLE」は、新たに設立されたNEW PEOPLEインク(NEW PEOPLE, Inc.,)が運営する。

 さらにNEW PEOPLEプロダクション(NEW PEOPLE Productions)を立ち上げた。こちらはイベントプロデュースが主要事業となる。NEW PEOPLEをメイン会場にするJ-Popサマーフェスティバルや劇場映画のプレミアイベント、ライブイベントなどのプログラムの開発を行なう。
 J-Popサマーフェスティバルは日本のポップカルチャーに特化したイベントで、映画やファッション、食、アート、音楽までを幅広く取り上げる。NEW PEOPLEによれば、2010年には4万人以上の参加者を集めた。今年も8月の開催を予定しており、新たな体制でイベントに取り組む。
 映画のプレミアイベントやライブイベントも同社の主要カテゴリーになりそうだ。既にプレミアイベントでは『デスノート』シリーズの全米上映、最近では『GANZT』の日米連動イベントを成功させている。またライブイベントでも、日本からゲストを招いたボーカロイドイベント、『空の境界』や『涼宮ハルヒ』シリーズのプレミア上映会などが人気を博しており、今後もそうしたプログラムを積極的に推し進めることになりそうだ。

 VIZピクチャーズは、米国で日本のアニメ・マンガ関連の事業を手がけるVIZメディアの関連会社として2005年に設立された。VIZメディア創業時の社長であった堀淵清治氏が経営を行なってきた。同社の目的は、アニメ以外の邦画を米国で展開するものである。
 カルチャー複合施設「NEW PEOPLE」は、その旗艦プロジェクトとして2009年に完成した。ジャパンタウンにあるビルに日本映画に特化した映画館やギャラリー、ブティック、雑貨ショップ、カフェなどを収容する。幅広い日本のポップカルチャーを紹介する。
 「VIZ」の名前を冠するがアニメ・マンガの取り扱いは大きくなく、VIZメディアと一線を画す。今回のブランド再構築では、アニメ・マンガのイメージが強い「VIZ」を敢えて切り離したとみられる。
 さらにプロダクション会社の設立は、従来手がけてきた映像事業がビジネスモデルの大きな変化に直面する中で、ライブビジネスに新たな活路を見出したと言えそうだ。日本のポップカルチャーの米国展開の新たな動きとして注目される。

 VIZメディアの関連会社には、VIZピクチャーズ以外にも映画事業を担当するVIZプロダクション(Viz Production)もある。VIZピクチャーズが映画配給や興行、イベントなどを行うのに対して、VIZプロダクションは映画製作事業を行なう。本拠地をハリウッドに構え、日本の小説やマンガなどを原作とした劇場映画化などを進める。現在は、桜坂洋さんのSF小説『All You Need Is Kill』の映画化プロジェクトが、注目されている。

「NEW PEOPLE」 http://www.newpeopleent.com/