幻冬舎第3四半期増収増益 コミックス売上14.2億円

 中堅出版社幻冬舎は、2月8日に平成23年3月期決算を発表した。主力の書籍事業に支えられ、引き続き堅調な業績となった。
 売上高は第3四半期までで94億9000万円(前年同期比1.4%増)、営業利益は14億7000万円(同34.8%増)、経常利益14億9500万円(同33.8%増)、四半期純利益7億7300万円(同26.1%増)と利益面での伸びが目立った。出版不況とされるなかで、同社の堅実な業績が際立つ。

 売上げと利益の多くは、単行本、文庫本、新書、雑誌からなる書籍事業が核となる。同事業の売上げは70億2900万円、セグメント利益は11億1300万円である。主要なヒット作は、単行本で『日本経済の真実』(28万部)、『シンプルに生きる』(21.5万部)、『プラチナデータ』(21万部)、文庫本で『阪急電車』(53万部)、『ハナミズキ』(32万部)だ。さらに新書では『宇宙は何でできているのか』(22万部)が売れた。
 企業ブランディングのための書籍や会社案内、事業報告書を手掛けるコポレート・コミュニケーション事業は売上高5億9900万円、セグメント利益は2億2500万円だった。

 一方、マンガ書籍のコミックス事業は、売上高14億2100万円、セグメント利益1億5600万円だった。これは売上高では前年同期の15億200万円から減少、利益では9500万円から増加した。売上高の減少は昨年221点あったマンガ単行本の刊行が190点に減った影響があるとみられる。

 幻冬舎では昨年暮れに行われたTKホールディングスによるMBO(経営者による株式取得)に基づいた株式公開買付が行われている。2月15日には、臨時株主総会が開催され、現在、筆頭株主であるTKホールディングスによる全株取得が可能になる決議を目指す。決議が行われれば、幻冬舎は3月16日付でJASDAQ市場での株式上場を廃止することになる。決議の行方は、TKホールディングス以外の株主にも左右される。
 一方で、幻冬舎は2月3日に、これまで同社が主要株主としてきた海外投資ファンド、イザベル・リミテッドは実際の株主でなく立花証券が主要株主であった事実を確認したと、発表している。議決権のある株式の1/3以上を持つ立花証券の動向が注目される。

幻冬舎 http://www.gentosha.co.jp/