デジタルコミック協議会の違法配信対策 政府調査会で

 2011年1月17日に、政府の知的財産推進計画推進を担う知的財産戦略本部のコンテンツ強化専門調査会が開催された。この日の会合は、知的財産戦略のうち書籍の電子配信を巡る課題について討議が行なわれた。
 このなかで講談社ライツ事業局局長の吉羽治氏は、デジタルコミックス協議会を通じた国内外の違法コミック配信サイトに対する取組みを説明した。報告資料では、これまで断片的に報道されてきた同協議会の活動がかなり詳細に伝えられている。

 デジタルコミックス協議会は国内の主要なマンガ出版39社が参加する団体で、デジタル化されたマンガの産業普及を目的にしている。業界自主規制ガイドラインの取組みのほか、近年はインターネット上に違法にアップロードされたマンガコンテンツに対する取組みで注目を浴びている。
 2010年6月には米国で違法アップのマンガファイルをまとめる英語圏のアグリゲート・サイト摘発の日米企業連携に関する声明を出し、12月にはアップル社のApp Storeにおけるデジタル海賊版問題に対する声明もだしている。また、英語圏に向けた公式のマンガ情報サイトの設立の話も伝わっている。今回の報告では、そうした活動の目的や状況が時系列で説明された。

 まず、注目されるのは協議会が、海賊版サイトをスキャンレーションサイト(違法ファイルのアップロード)、ファイル共有ソフトタイプ、動画投稿サイト、利用者が自由にファイルのアップロード・ダウンロードが出来るオンラインストレージ(OS)タイプと4つにわけ対応していることだ。このタイプにより対策が立てられている。そのうえで現在はOSタイプの被害が深刻としている。
 これまで具体的な対策が少ないとされてきた海外サイトへの対応は英語圏に対しては2009年12月に最初のアクションが取られている。また、今年5月に海外の違法配信の有力サイトOneManga、MangaFoxからコンテンツの部分撤去が行なわれたのは、ユーザーの書き込みや報告を受けた広告主である企業がインターネット広告のGoogleアドにクレームしたためであるとしている。

 6月に出された共同プレスリリースについては、一部のサイトがサービスを終了するなど効果があったという。ただし、リリースにより閉鎖や削除をしないサイトもあり、弁護士を使って警告をだす必要があるとしている。
 また、2010年5月に行なわれたFBIによるアメリカンコミックスのスキャンレーションサイト摘発と並行して、米国の日本マンガ出版社、アシェットUSA(YenPress)、Tokyopop、VIZメディア、バーティカルが、FBIや法務省に書類を提出している事実も明らかにしている。米国司法省やFBIは侵害サイトに積極的に対応する状況で、米国の出版社は日本の出版社にもこれに加わって欲しいと考えていると報告しており、今後、日米の出版社でなんらかの連携が取られる可能性もありそうだ。
そのうえで当面のアクションプランでは、日米共同プレスリリースの発行、さらに弁護士を使ったクレームを行なう予定である。

知的財産戦略本部 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/
デジタルコミック協議会 http://www.digital-comic.jp/