Tokyopop マンガ流通委託をダイヤモンドブックに変更

 北米のマンガ出版企業Tokyopopは、マンガなどの書籍流通の委託先を現在のハーパー・コリンズ(Harper Collins)からダイヤモンド・ブック・ディストリビューション(Diamond Book Distributors:DBD)に変更する。1月13日にTokyopopとDBDが共同で発表した。ハーパー・コリンズでの流通は2011年6月末まで行われ、7月1日からはDBDに業務が全面移管される。 

 Tokyopopは北米における日本マンガの翻訳出版の有力企業。現在は、小学館、集英社の有力タイトルを発売するVIZメディアに後塵を拝すが、2000年初頭には北米小売市場で発売される日本マンガの大半は同社から発売されたものだった。現在も年間150以上の新刊と2000以上のタイトルを持つ。有力作品には『フルーツバスケット』があり、近年は『ヘタリア』のヒットが注目されている。
 DBDは2002年にコミックス専門の書籍流通企業として誕生した。その役割は、コミックス、マンガを含むグラフィックノベル、ポップカルチャーのアイテムを書店や専門店に流通させることである。出版社から請け負った商品を小売店に出荷する。
 もともとブックトレードからスタートしたということもあり、コアなファンが多いコミックス専門店への流通を得意としてきた。しかし、現在はバーンズ&ノーブル(Barnes & Noble)、ボーダーズ(Borders)、アマゾン・ドットコムといった大手小売チェーンなどにも出荷している。

 Tokyopopは2006年3月にハーパー・コリンズと書籍流通の全面委託で合意していた。米国の大手出版社は出版事業のほかに通常は中小出版社の流通業務受託もしている。そうしたビジネスのひとつであった。また合意においては、両社の共同出版事業も進められた。ニューズ(News Corporation.)の子会社であるハーパー・コリンズのマンガ出版事業への積極的な取り組みとして、当時大きく注目された。
 しかし、今回の流通委託先の変更で、両社の提携は大きく変わることになりそうだ。これにはマンガに対する米国出版業界の風向きの変化も影響していそうだ。

 一方で、今回のTokyopopとDBDの提携で注目されるのは、Tokyopopの現社長兼COOのジョン・パーカー氏が、DBDの新設ポストであるビジネス開発担当副社長に就任することだ。両社の提携は単純な委託・受託だけでなく、共同でビジネスにあることが分かる。Tokyopopはハーパー・コリンズに替わる新たなビジネスパートナーにDBDを選んだことになる。DBDは今後、小売店でのマンガスペース確保に注力する。
 DBDにはアメリカンコミックスよりも、書店で取り扱いの大きいマンガを取り込むことで一般書店への流通・販売ルートを開拓する狙いもありそうだ。そしてTokyopop はDBDと協力することであらためて一般書店への流通開拓を目指す。
 現在米国ではこれまで有力なマンガ販売ルートであった大手書籍小売りチェーン ボーダーズ(Borders)が経営不振に陥り、その行く先に懸念が生じている。このまま経営が維持されるとしても、店舗数の削減や店内の商品構成の大幅な見直しは避けられない。その結果、ボーダーズを通じたマンガ販売網が、大きく縮小する可能性が高い。Tokyopopはそれを見越しているのかもしれない。
 もともと一般書店でのマンガ販売の拡大は、2000年代初頭におけるTokyopopによるプロモーションが果たした役割が大きかった。それだけにTokyopopの新たな動きから目が離せない。

Tokyopop  http://www.tokyopop.co.jp/
ダイヤモンド・ブック・ディストリビューション(Diamond Book Distributors:DBD)
http://www.diamondbookdistributors.com/