シンガポールに新たなコミックコンベンション誕生

 12月10日から12日まで、シンガポールを代表するコンベンション施設サンテック・コンベンションセンターで新たなポップカルチャーイベントがスタートした。英国に本社を持つ国際見本市企業リード・エグジビジョンが運営するシンガポール・トイ・ゲーム&コミックコンベンション(Singapore Toy, Games & Comic Convention:STGCC)である。
 コミック、アニメ、映画、玩具、ゲーム、コレクションアイテムを扱った総合的なポップカルチャーイベントで、STCGは東洋と西洋のポップカルチャーをコンシュマーに届けるとしている。イベントを仕切るリード・エグジビジョンのポップカルチャー部門リードPOPは、これまで米国でニューヨーク・コミコン、ニューヨーク・アニメフェスティバル、C2E2などを主催してきたが、アジアでのイベント開催は今回が初めてだ。

 同じサンテック・コンベンションセンターでは、ちょうど1ヶ月前に日本のポップカルチャーに特化した大型イベントアニメーションフェスティバル・アジア(AFAX)が開催されたばかりだ。同イベントはシンガポールでは初めての大型ポップカルチャーイベントとして3年前に誕生した。日本のマンガ、アニメ、ファッションなどの人気もあり、開催3日間で1万6000人の入場者を集めるなど大きな成功を収めた。
 そうしたAFAXに対して、STGCCは今後巨大なライバルになりそうだ。STGCCは開催にあたっては、アメリカンコミックスのほかにアニメやマンガを取り入れている。ゲストにはAKB48、そしてメインスポンサーにAFAXと同じアニマックスが参加する。コスプレコンテストも米国で一般的な「マスカレード」の言葉を使わず、現地に馴染み深い日本発の「コスプレ」の言葉を用いる。日本のポップカルチャーとそのファンの取り込みに熱心だ。日本コンテンツだけのAFAXに対して、日本コンテンツも含めた総合ポップカルチャーの位置づけだ。STGCCが会期中に見込む来場客は4万5000人、AFAXを大きく上回る。

 リードPOPの海外進出は、ポップカルチャー関連事業拡大を目指したものだ。同社は国際ブックショーや宝飾ショー、バイオショーなどで実績を持つ世界最大の国際見本市企業である。
 しかし、ポップカルチャーイベントの歴史は短い、2006年にスタートしたニューヨーク・コミコンが初めてだ。このニューヨーク・コミコンの成功が、積極的な事業展開につながった。これまで欧米地域で開催されるコミックコンベンション、アニメコンベンションが非営利団体で運営されていたのに対し、ビジネスとしてイベントを運営する新たな潮流を作り出した。

 同社はニューヨーク、シカゴに続いて、ロサンゼルスかサンフランスコに進出をするのでないかと見られていたが、多くの予想を覆し3番目のイベントをシンガポールに定めた。成長するアジアのポップカルチャー市場のいち早い取り込みを目指す。また、今回のSTGCCは、同社が運営するアジア最大のテレビ番組見本市アジア・テレビジョン・フォーラムと隣接して開催している。同時開催することで、ビジネスとコンシュマー向けイベントのシナジー効果を狙っている。グループ力を活かしたプロモーションが可能との読みもあったとみられる。
 今後は、米国内と並行して、さらに別のアジア地域への進出も可能性がある。こうしたイベントは、ビジネスであると同時に文化プロモーションの役割もやはり大きい。日本のアニメ・マンガの人気の高いアジア地域での動向は今後も目が話せない。

シンガポール・トイ・ゲーム&コミックコンベンション
(Singapore Toy, Games & Comic Convention:STGCC)
http://www.singaporetgcc.com/