日本貿易振興機構(JETRO)は、日本の地域産業と海外の地域産業の交流を支援するLocal to Local産業交流事業(LL事業)の平成18年度案件のひとつに、アニメーション産業の交流を行う東京都・練馬区とフランス・パリ市の交流を採択した。
練馬区は、日本のアニメ産業が集積する東京西部地区のなかでも特にアニメ関連企業の立地が多い自治体のひとつとして知られている。また、パリのあるフランスはヨーロッパの中では、イタリアと伴に古くから日本アニメの人気が高い国として知られている。現在でも、フランスでは日本アニメは高い人気を誇っている。
練馬区はアニメ産業を地域活性化の柱として位置づけている。しかし、JETROによれば日本アニメの国際評価は高いにもかかわらず、練馬区の多くのアニメ企業は中小企業で自ら海外販路が開拓できないという。
そこで、ヨーロッパの中でもアニメ産業が盛んなフランスの業界団体との交流を通じて、海外販路の拡大とフランス企業との業務提携を行う。そうすることで、練馬区のアニメ産業の発展と活性化を目指す。
フランスを始めとするヨーロッパは、現在アニメビジネスの市場として脚光を浴びるアメリカなどよりも古くから日本アニメを受けいれてきた地域である。しかし、多角的なビジネス開拓では、むしろアメリカより遅れてきた。
今回のように、アニメ制作会社の直接進出を支援することは、日本アニメの新たにビジネスエリアとして注目される同地域の市場全体の底上げにもつながるといえるだろう。
LL事業は、地域産業レベルで海外とのビジネス交流をはかることで、国内地域経済の活性化を行うプロジェクトである。今回の選ばれた案件の中には練馬区とパリ市のほか、IT・コンテンツ産業でのビジネス交流を目指した川崎市と北京市・中関村地区など19件が含まれている。
また、全体の案件の1/3は、IT分野となり、これまで注目を浴びてきた中国の案件と伴にインドの案件が増えている。