ミコット社 「アップルシード ジェネシス」でラディクスに反論

 映像製作会社のミコット・エンド・バサラは、9月26日にウェッジホールディングス(ウェッジHD)の子会社ラディクスモバニメーションが行ったミコット社へ提訴について同社の見解を明らかにした。
 この訴訟はラディクスが、ミコットから制作受注した新作テレビアニメ『アップルシード ジェネシス』に関するものである。ウェッジHDとラディクスは、ミコットが一方的に制作打ち切りを通告し、協議の場につくことなく制作受注費の支払いの一部を拒否していると主張している。訴訟の理由については、9月26日にウェッジHDから公式にリリースがだされている。

 しかし、ミコットは、こうしたウェッジHDとラディクスの主張に何ら理由はないとし、全面的に反論している。ミコットは現時点でラデックスから訴状を受け取っていないとしながらも、今後の裁判を通じて自社の正当性を明らかに出来るとしている。
 実際に今回ミコットが明らかにした見解は、ウェッジHDとラディクスの発表と大きく異なる点が多い。特にウェッジHDとラディクスが主張する制作費の未払いについては、ミコットはこれまで制作代金の支払いは契約に基づき適切に行ってきたとする。さらに会社間の協議を打ち切ったのはミコットでなく、ウェッジHDとラディクスであると説明している。

 ミコットによれば、もともと『アップルシード ジェネシス』の制作における問題は、ラディクスの作品制作体制の問題にある。こうした制作体制から、ラディクスは当初の制作委託契約で合意した制作スケジュールを遵守するのが不可能な状況にまでなっていたとする。
 しかしミコットは、ラデックスの契約不履行を理由に契約を解除するのでなく、両社の話し合いによる円満な契約終了の道を探ったという。こうした現状をウェッジHDとラディクスに伝えたうえで、話し合いによる制作委託契約の終了を目指し、協議の場を設け話し合いを続けてきたとしている。

 そのうえでウェッジHDとラディクスが一方的に協議を打ち切り、提訴を行い、不正確な事実経緯を発表していると述べている。今後ミコットは断固とした姿勢でこれに対応し、訴訟の場で自社の正当性を明らかにするとしている。
 一方で、『アップルシード ジェネシス』の制作については、予定通り制作を継続し、クオリティの高い作品として完成させると説明している。ラディクスと離れた場で、作品制作を進める方向のようだ。

 今回のミコットの見解とウェッジHDの発表は、事実関係が明らかに対立する点が多い。ひとつは、ウェッジHDが理由なしで制作中止の指示があったとしているのに対して、ミコットは制作スケジュールが守らないためと理由を示し、さらにそれを通知したと説明している点である。
 また、ウェッジは未払い受注制作費があるとしているのに対し、ミコットは存在していないとする。さらにウェッジはミコットが一方的に協議を打ち切ったとするが、ミコットによれば訴訟がある前まで協議を行っていたにも関わらず、ウェッジHDとラディクスが一方的に協議を打ち切り、提訴を行ったとしている。
 こうした両社の主張の相違は現段階ではどちらが正しいか判断するのは難しい。今後の裁判の行方を見守ることになりそうだ。

ミコット・エンド・バサラ http://www.micott.jp/

ウェッジホールディングス http://www.wedge-hd.com/
ラディクスモバニメーション http://www.radixzero.co.jp/