電通エンタテインメントUSA  坂田雄馬社長に聞く 後編

-電通エンタテイメントUSAは、アニメーションに加えて、キャラクターライセンスビジネスも広く展開する。そのひとつが日本でも大ヒットした「豆しば」である。巨大であるにもかかわらず、アニメーション以上に分かりにくいキャラクター市場についても、話を伺った。- 

【米国のキャラクター市場もマスとニッチ】

 
2010年サンディエゴ・コミコンのトイナミブースで紹介されていた「豆しば」

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もうひとつキャラクタービジネスについても伺わせてください。電通エンタイテイメントUSAさんが「豆しば」を取り扱っているのが気になっています。今年の7月にサンディエゴで開かれたコミコンで、トイナミさんがすごく大きく扱い、紹介していました。米国ではキャラクターも一大市場なのですか。

坂田 
キャラクターに関しても、やはり日本とアメリカでは大きな違いがあります。日本のようなキャラクター市場はないですよね。やはりここでもマスマーケットとニッチマーケットに分かれています。日本ではマスとニッチの境界線が非常に微妙だったりしますよね。日本のビジネスサイドが誤解する部分です。

AA
日本ではニッチだったキャラクターが、ある日突然大ブームになるようなところがあります。

坂田 
それがブランドとして長く続くかというというとまた別なんですけれども、短期にはおじいちゃんの携帯ストラップにも小学生のものにも『豆しば』が付いていたりとかしますよね。
アメリカではあり得ないことです。これはやはり日本の特殊なキャラクター市場を物語っています。
アニメについてもキャラクターが完全にオタクの人たちだけのものかというとそうでもなくて、テレビで放送されていたり、普通の中高生、大学生、社会人も深夜にアニメーションを観ていたりします。みんなが観ているものは別にコアでないし、ニッチでもありません。

キャラクターに関しても僕らは完全に分けていて、マスマーケットというのはミッキーマウスとかテーマパークを抱えているような人たちがやるビジネスで、これには瞬間的であっても勝てっこないんです。それぐらいのビジネスの仕掛けができないと、アメリカにおけるメジャーなキャラクタービジネスにはなり得ない。
マスマーケットのキャラクターを別にして、ニッチな市場でアメリカで最近一番大きかったのはスケルアニマルズ。動物の中に骨がいっぱい描いてあります。これもトイナミさんです。

AA
コミコンで豆しばと並んで展示されていました。

坂田 
あれが実はアメリカでニッチマーケットの最大ヒットなんです。あと『どーもくん』もありますね。あれでだいたい40億円ぐらいですよね。残念ながらニッチなんですよ。そういうニッチマーケットにおいては、数を集めるか、規模を小さくして粛々とやる方法があります。トイナミさんがそうだと思います。

「豆しば」は日本で、おととし、去年ととてつもない賞もいっぱいいただきましたし、売り上げもありました。そのときにトイナミの社長さんのジョージが日本であれを見つけてきたんです。
彼はオタクで目利きです。日本のキャラクターが大好きで、世界中のキャラクターに目を配っています。ちょうどジョージから質問がかかってきた時に、「うちでやっているよ」と言ったら、ジョージがとても喜んで、トイナミでやらせてくれという話になりました。

AA
実際にはどういった展開になっているのですか?

坂田
今はトイナミさんとビズメディアさんと、オンラインのTシャツ屋さんがライセンシーです。トイナミさんが大々的にやっていて、トイナミさんが目利きだというのはみんな知っているので、ニッチの中で、少しずつ起爆させていくスタイルを取っていてます。
僕らはこうした人を真剣にさせれば、それが見ている人たちに広がっていくと思っています。今回もコミコンで大々的にやっていると、次のバイヤーの人たちが来るわけです。次に中堅が来るとさらに大規模になって行きます。ただ、残念ながらニッチなのでたぶんそれ以上はないんです。でもそれはしょうがないですね。

坂田
逆に言うと面白い話なんですけど、さっきのスケルアニマルズをその流れを電通でやることになったんです。電通エンタテインメントUSAという会社に、いろいろな話が来ると話しましたが、その中でスケルアニマルズの社長さんからこれを何とか日本でつないでくれないかなと話されて、うちが電通テックと話をしました。
スケルアニマルズはアメリカのニッチでナンバー1ですけど、日本ではもっと大きい数字の可能性がありますね。スケルアニマルズは電通テックの次の主力製品なんです。電通テックがブランド戦略を大きく変更し面白い展開を試みます。

AA
それがコミコンでちょうど並んでいたというのは面白いですね

坂田
スケルアニマルズは、アメリカに関してはトイナミさんが行っています。それをうちがハブとなって電通テックに渡し、電通テックからうちに来た『豆しば』を今度はトイナミさんに渡す。キャラクターに関しては、あくまでもニッチということをわきまえて、認識したうえでやっていこうと思っています。
ニッチに関しては今は目利きといわれる会社の目を信じるしかない。まだ自分らなりの方程式というのは、キャラクターに関しては確立できてない状況です。あくまでもビジネスの間を取り持つコーディネーション的なものをやっていくしかないと思っています。

AA
本日はお忙しい中、ありがとうございました。