2011年夏 AX同日程 西海岸で大型コンベンション開始

 近年、日本のポップカルチャーをテーマにした大型イベントが世界各地で注目を浴びている。そのなかでも北米最大の日本アニメ・マンガのイベントして知られているのが、SPJA(日本アニメーション振興会)の運営するアニメエキスポ(Anime Expo:AX)である。アニメエキスポは毎年7月初めの独立記念日に合わせロサンゼルス市周辺で開催される。開催時期、開催場所に望まれていることもあり、近年は毎年4万人、延べで10万人以上を集める人気イベントなっている。
 2011年にこのAXに強力なライバルが現れそうな気配だ。2010年に設立されたMAXは、2011年7月1日から3日までの3日間、ロサンゼルス近郊のアナハイム市にて、アジアの音楽とアニメーション、コミックスをテーマとした大型イベントClub 2 the MAX 2011を開催すると発表した。開催規模については明らかにされていないが、会場をアナハイム・コンベンションセンターとするなど大規模なイベントを目指している。また、10月15日からは早くも出展企業の募集を開始した。

 Club 2 the MAX 2011は、イベントのコンセプトを日本のアニメ・マンガからより幅広いアジアのカルチャーとする。一方で、現在明らかにされているプログラムからは、コンサートやパネル、企業による会場出展、ミュージックビデオ、メイドカフェなどAXに代表されるアニメコンベンションのフォーマットを踏襲していることが見て取れる。
 AXは2011年7月1日から4日までの4日間、ロサンゼルス・コンベンションセンターにて設立から20回目となるイベント開催を既に決定している。Club 2 the MAX 2011とAXは正面からぶつかることになり、ライバル関係になりそうだ。

 実際にClub 2 the MAXは、AXの対抗イベントの色彩が強い。細かな内容でもAXをかなり意識している。開催地のアナハイム・コンベンションセンターは、2006年までAXの会場だった場所である。現在は、ロサンゼルスのコンベンションセンターに移ったが往年のAXファンには、いまだ根強い支持のある人気会場である。
 また、Club 2 the MAXの大きな特徴は、通常のアニメコンベンションとは異なり、参加者から一律の参加料を取らずイベントごとに課金する点である。2010年に参加費用を大幅に値上げしたAXを意識したものだ。近年増えているとされるパネルやコンサートなどのイベント参加はせずに、コスプレ姿で会場を散策する様なライトなファンの取り込みを目指しているようだ。
 同様に企業向けには追加料金なしの出展プランを打ち出す。こちらも基本料金以外の追加料金が多過ぎると批判されることが多いAXとの差別化を狙っている。

 何よりも大きな違いはこれまでの多くのアニメコンベンションと異なり、日本ではなくアジアとしたことだ。AXの対象外であった、アジアのドラマや映画、韓国・中国のポップミュージック、オンラインゲームなどの取り込みが可能になる。より広いジャンルのイベントを目指すことになる。
 一方で、アジアと限定することが、逆にジャンルを狭めてしまう可能性もある。アニメやマンガのファンは、そのジャンルのファンで必ずしも日本やアジアといったものを意識していないとも見られるからだ。これまでにもアニメエキスポには、ドリームワークス・アニメーションやカートゥーンネットワークなどが参加していたこともあり、韓国マンガ企業の出展もある。ロサンゼルス地区では2004年からAXから分裂するかたちで、やはりアジアのポップカルチャーをテーマにしたパシフィックメディアエキスポ(Pacific Media Expo)が開催されているが、これまでのところ期待されたほど拡大をしていない。
 カリフォルニア州では、既に米国のポップカルチャー全体をテーマにしたサンディエゴ・コミコンも人気を集めており、ニッチな日本アニメ・マンガカルチャーとマス向けのポップカルチャーの間を行くClub 2 the MAXの今後の戦略が注目される。

Club 2 the MAX  http://club2themax.com/