テレビ朝日 アニメ制作会社 シンエイ動画を子会社化

 テレビ朝日は、アニメスタジオ シンエイ動画を子会社化することを決定した。シンエイ動画は昭和51年に設立されたアニメスタジオで、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』のアニメ制作で知られる。
 テレビ朝日はシンエイ動画が新たに発行する株式を第三者割当により取得し、株式持株比率をこれまでの14.6%から90%まで引き上げる。株式引受後は、シンエイ動画を連結子会社とする方針である。
 株式取得のためのテレビ朝日の出資金は29億9500万円、『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』のアニメ制作会社に30億円あまりの評価をつけたことになる。

 テレビ朝日とシンエイ動画は、これまでもアニメのテレビ放送、劇場アニメの製作・配給、ビデオグラムDの販売、海外番組販売、CS事業などにおいて密接な関係にあった。
 テレビ朝日は今回の連結子会社化は、両社間の経営資源やノウハウの活用によるアニメ事業展開のシナージ効果が期待でき、激化するメディア間の競争を勝ち抜くことに貢献するとしている。また、シンエイ動画の企業価値の向上にもつながるする。

 シンエイ動画は、楠部大吉郎氏が1965年設立したAプロに源流がある国内でも最も歴史のあるアニメスタジオのひとつである。現在の社名シンエイも「新A」を表しており、Aプロのとのつながりを留める。
 『ドラえもん』を初めとする藤子不二雄作品のアニメ化に強く、また『クレヨンしんちゃん』や『あたしンち』といった長寿番組を中心に安定したビジネスを行っている。
 平成20年6月期の売上高はおよそ40億円の中堅アニメスタジオであるが、平成20年は経常利益7億500万円、当期純利益で5億7300万円、平成19年は経常利益6億7100万円、当期純利益で3億3000万円と業績は好調である。現在は楠部三吉郎氏と別紙壮一氏の二人が、8割以上の株式を握るオーナー会社となっている。

 2000年以降、アニメ制作会社は大手メディア企業の系列化が続いており、大手、準大手の多くのスタジオが大手メディア企業のグループ会社になっている。
 こうしたなかには、2002年にアサツーDKの子会社となったエイケンや、2005年にセガサミーの子会社となったトムス・エンタテインメント、同年タカラトミーの子会社となった竜の子プロダクションなどがある。メディア産業のなかで事業規模が小さいアニメ制作会社は、他のメディアに垂直統合される傾向が強まっている。

 放送局によるアニメ制作会社の出資は、フジテレビやテレビ朝日が東映アニメーションに、日本テレビやWOWOWがマッドハウスに、日本テレビがIGポート(プロダクションI.G)に出資する例などはあったが、いずれも資本参加で経営を握るものではない。
 今回のテレビ朝日による出資は、地上波テレビ局がアニメ制作会社を保有する新たな動きとして注目される。

テレビ朝日 http://www.tv-asahi.co.jp/
シンエイ動画 http://www.shin-ei-animation.jp/