経産省 クールジャパン戦略に新規19.2億円概算要求

 経済産業省は、8月30日に平成23年度の予算要求を取りまとめ財務省に提出した。また、この概算要求に合わせて今後の経済産業政策の指針を示す「新成長戦略実現アクション100」を発表した。「新成長戦略実現アクション100」は、国内産業の発展に向けた具体的な行動を100の項目にまとめたものである。
 このアクションプランには、経済産業省が「クールジャパン戦略」として掲げる文化産業戦略も含まれる。クールジャパン戦略には100のアクションのうち9つが含まれており、同省が今後文化産業に大きな力を入れていく姿勢が窺える。

 そうした「クールジャパン戦略」取り組み強化を象徴するのが、クリエイティブ産業部(仮称)の創設プランである。経済産業省はクリエイティブ産業部を、クールジャパン戦略の推進のため省内体制を整備し、省庁間の政策連携を進めるものとしている。
 現在、経済産業省には映像、アニメ、ゲーム、音楽、出版などを商務情報政策局メディアコンテンツ課がある。しかし、同省の目指すコンテンツ産業の海外展開では、アニメ・マンガ・ゲーム・音楽がファッションや食と連動することが多い。しかし、これらは製造物であるためメディアコンテンツ課は扱っていない。そこで今年6月にデザイン・食・ファッションも含めた文化産業担当としてクールジャパン室が設けられている。クリエイティブ産業部は、これらの局部署をさらに発展させたものと見られる。

 そのうえで経済産業省は、クールジャパン戦略の推進のために新たに19.2億円の予算を請求する。文化産業で利益を得るための国別・分野別戦略の策定、民間を中心としたプロデュースチームの組成、クリエイティブ人材育成、海外からのクリエーター在留資格要件の緩和などに取り組むとしている。
 具体的なアクションには、コンテンツ海外展開支援ファンドの創設やインターネット利用に係る権利処理の円滑化、書籍のデジタル化推進、コンテンツ人材の育成などが盛り込まれる。アニメ関連では日中共同開催による「アニメフェスティバル」の構想が掲げられている。特に産業の海外展開、人材育成、コンテンツのデジタル化推進が重点項目になっているようだ。
 今回提出された概算要求は財務省での査定、政府予算案作成を受け国会に提出される。国のコンテンツ産業政策に関わるため、今後の行方が注目される。

経済産業省 http://www.meti.go.jp/

「新成長戦略実現アクション100」に挙げられた
文化産業戦略(クール・ジャパン戦略)のアクションプラン

■ 「クールジャパン戦略」の推進 action 60
■ 「クリエイティブ産業部(仮称)」の創設 action 61
■ 「コンテンツ海外展開支援ファンド」の創設 action 62
■ 我が国コンテンツのアジア地域における展開支援 action 63
■ ファッション・食・住生活空間・地域産品分野:文化付加価値の拡大による海外市場展開支援 action 64
■ インターネット利用に係る権利処理の円滑化 action 65
■ 書籍のデジタル化推進 action 66
■ コンテンツ人材の育成 action 67
■ ファッション・食・住生活空間・地域産品分野:世界で戦える企業の創出・育成支援 action 68