経産省 欧州の音楽ビジネスとJ-POPのレポートを公開

 経済産業省は欧州地域の音楽産業動向とそのなかでの日本の音楽ビジネスの可能性についてまとめたレポート「平成21 年度創造産業国際展開支援事業(欧州における音楽産業等の消費動向調査)」を公開した。JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コフェスタ)などと同様、同省が進める日本コンテンツ・クリエイティブ産業の海外展開事業の一環である。海外地域のビジネスの現状を把握することで、今後のコンテンツビジネスの海外展開をサポートする。
 レポートは三菱総合研究所が調査を行なっており、日本コンテンツが高く評価されている地域であり、市場として大きな欧州にフォーカスする。特にイギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、フインランドの5ヶ国をカバーしている。

 レポートは大きくわけて2部構成となっており、前半は5カ国の音楽産業全体の状況を最新データと共に紹介する。最新の数字が豊富に盛り込まれ、特に楽曲販売に加えて近年注目されることが多い興行系の音楽ビジネスについても大きくページを割いている。
 各国ごとの特徴が明らかになっていることで、現地の最新動向が理解できる。さらに日本国内の現状と比較することで、日本の音楽ビジネスを理解するうえでも示唆されるものが大きい。海外市場に関係なく、音楽ビジネスを考えるうえで価値のあるレポートとなっている。

 レポートの後半は、欧州地域におけるJ-POPの状況についてまとめている。ただし、現地における音楽ビジネスが必ずしも大きくないことから、日本のポップカルチャー全体について広く取り上げており、それが興味深い内容となっている。
 例えば日本製品のブランド価値については、化粧品である資生堂やサンリオのキャラクター ハローキティによりその浸透度を説明する。また、ポップカルチャーの展開では、J-POPに先行して欧州市場で受け入れられたアニメやマンガについて解説する。その範囲は各国のマンガ、アニメ事情にまで及び、マンガやアニメDVDの販売動向、アニメ雑誌やマニア向けのショップまで幅広い。音楽だけでなく、日本のポップカルチャーの海外動向について関心のある人にとっては欠かせないレポートとなった。

 そして、レポートでは結論として、日本のマンガやアニメの経験をフォローすることで、J-POPも海外で成功することが可能でないかとする。10 年前には日本のマンガやアニメが、今日ほど欧州で受け入れられることはなかったことを考えれば、音楽でも同様のことが出来るとの指摘である。
 当初はニッチ市場であることを覚悟して、アニメとの連動し、アニメフェスティバルなどのイベントでのアピールことが効果的と具体的に述べる。マンガ、アニメの資産を活用した展開を提案するユニークなものとなった。

平成21 年度創造産業国際展開支援事業(欧州における音楽産業等の消費動向調査)」
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2010fy01/E001135.pdf (PDF)