IGポート通期赤字に 中期経営でデジタル分野拡大目指す

 アニメ製作大手IGポートは、7月9日に平成22年5月期の通期決算を発表した。同社は6月18日に子会社ジーベックで受注制作費の未回収が発生していることなどを理由に業績の下方修正を行なっており、今回の発表はそれに準じたものとなっている。
 連結売上高は59億8900万円と前年同期比で15.7%の減少となった。また営業利益は2億6200万円のマイナス、経常利益は2億5400万円のマイナス、当期純損失が5億3800万円である。全体に厳しい数字となった。

 アニメーション制作の映像制作事業は、売上高が39億8600万円(前年同期比18.5%減)、営業損失が1億2500万円と赤字となった。『ホッタラケの島 -遥と魔法の鏡-』、『テイルズ オブ ヴェスペリア ~ The First Strike ~』、『東のエデン 劇場版Ⅰ・Ⅱ』、『ブレイク ブレイド』、『文学少女』などの劇場アニメ制作が目立ったが、テレビアニメが前年より減少したことが売上げ減少につながったと見られる。テレビ作品は、『君に届け』、『獣の奏者エリン』、『Pandora Hearts』、『れでぃ×ばと!』などが主力である。
 マッグガーデンが中心となる出版事業は黒字だった。売上げは13億7600万円と前年同期4.8%減、営業利益は8300万円(同46.6%減)である。月刊雑誌を24点、書籍を108点刊行している。
 また、版権事業は売上高を前年同期比20.5%減の5億5400万円となったが、営業利益は1億800万円(同180.0%増)と大きく伸びた。中心となったのは『攻殻機動隊S.A.C.シリーズ』、『東のエデン』、『戦国 BASARA』、『ToLOVEるシリーズ』、『テニスの王子様シリーズ』などである。

 平成23年5月期についてIGポートは、慎重な見通しを立てている。売上高はおよそ14%減の51億2700万円とする。特に22年5月期に39億8600万円だった映像制作事業を、23年は33億6500万円としている。アニメ制作の受注が引き続き減少すると予想している。これはアニメ業界の事業環境が引き続き厳しいことを反映させたものとみられる。
 一方で、経常利益を4600万円、当期純利益500万円とこちらは黒字を見込む。事業の拡大ではなく、採算性を重視するかたちである。期間中の主要な作品は『戦国 BASARA弐』、『ブレイク ブレイド第三章~第六章』などである。マンガ事業ではウェブからの単行本刊行を開始する。

 IGポートは決算発表に合わせて、中期経営計画も明らかにしている。ここでは売上高を23年5月期51億2700万円(予想)とし、24年5月期に57億8500万円、25年5月期に63億8900万円を計画する。現状の事業で収益を確保しつつ、3年後に22年5月期を上回る成長を目指す。
 こうした計画を達成するために、アニメ制作のコストとスケジュール管理の徹底、稼働率の向上による収益確保を行なう。また、25年5月期に向けた大型劇場作品を企画するとしている。
 これまで展開の薄かったネット分野への進出も視野に入れている。マンガ関連ではネットコミックの展開、その他ではデジタルコンテンツの自社提供やソーシャルゲームアプリの自社開発も進める。
 版権事業ではDVDからデジタルコンテンツ部門のライセンスを強化をするとしている。映像パッケージへの収益依存度を引き下げる狙いがありそうだ。

IGポート http://www.igport.co.jp/