「劇場版3D あたしンち 」3D化にキューテックとグラフィニカ

 テレビアニメ『あたしンち』が、映画『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母 大暴走!』となり11月13日に公開される。マンガ家けらえいこさんが読売新聞に連載する『あたしンち』が原作となっている。新聞マンガということもあり、幅広い世代から人気を集めている。
 また、2002年からはシンエイ動画の制作によりテレビアニメ化されている。現在も放映が続く、ロングランのファミリー作品だ。本作ではこの『あたしンち』を、注目を浴びる3D(立体視)として新しい映像にする。3D映画は現在大きな話題を呼んでいるが、国内アニメではまだまだ数が少ない。そうした3D映画の先駆けとなる。

 3D映像には派手なVFXを用いた作品、3DCGアニメーションに対して用いられることが多い。また作品の題材も、SFやファンタジー、アクションに偏りがちだ。今回は、ファミリー向けの日常感溢れるストーリーで、手描きの2Dアニメを立体視化する試みも注目される。
 こうした2D作品の立体視化に挑戦するのが、キューテックとそのグループ会社のグラフィニカである。キューテックは、『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母 大暴走!』で撮影、3D変換、編集作業を2社で手掛けることを明らかにしている。

 世界では関心の高い3Dの技術だが、国内アニメを3D化する技術を持つ企業は必ずしも多くない。キューテックとグラフィニカはそうした数少ない存在である。
 この技術は今年3月に行われた東京国際アニメフェア2010でも披露されている。バンダイナムコグループが出展ブースで紹介した3DCGアニメ『ヒピラくん』の3D化は、キューテックによるものである。
 また、GONZOが自社ブースで紹介した『ブラスレイター』、『ラスト エグザイル』の3D版もキューテックとグラフィニカが行った。ここでは2Dのセルアニメーションを立体視化する技術が注目された。『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母 大暴走!』でも、これと同じ技術が用いられることになるだろう。

 キューテックはポストプロダクションの大手であるが、現在は周辺事業にも活動を広げている。グラフィニカは『青の6号』や『戦闘妖精雪風』、『ラスト・エグザイル』などで知られるGONZOのデジタル部門を前身とする。これにキューテックの子会社でアニメ専門の撮影をする株式会社デコロコを統合している。デジタルプロダクションとデジタル映像のポストプロダクションの一環サービスを提供する。
 また、キューテックは、アニメを中心とした映像制作に対応する杉並クリエイティブセンターを今年5月に設立している。同センターにはアニメ関連部署のほかグラフィニカも移転し、アニメ関連分野を統合する。キューテックは杉並クリエイティブセンターを軸に、今後もアニメのデジタル制作、3D関連事業に積極的に関わって行くと見られる。

映画『劇場版3D あたしンち 情熱のちょ~超能力♪母 大暴走!』
http://3d-atashi.jp/

キューテック http://www.qtec.ne.jp/
グラフィニカ http://www.graphinica.com/