会場の見所はあまりにも多く、何を取上げていいのか迷うところだ。それでも、今年10周年を迎えたWonder Showcaseは触れないわけに行かない。
Wonder Showcaseはイベントの規模的な成長のなかで、時として見落とされがちなイベントの本来の目的であるガレージキットのクオリティの向上を目的にするものだ。優れたアーティスを取上げプロデュースすることで、ガレージキット文化の底上げを図る。
今回、取上げられたアーティストNoaさんとFioさんは、いずれも女性だ。今年で10周年を迎えたWonder Showcaseが、男性優位とされるガレキの世界で女性2名を選んだことも、ガレキ文化がひとつのターニングポイントに到達したことを感じさせないだろうか。
また、今回は10周年ということもあり、歴代アーティストのプレゼンテーションが設けられ、トークショウなどイベントも行われている。ここからは規模の拡大だけでなく、ワンフェスだけが持ちえる何かを目指す姿勢が感じられる。
ワンダーフェスティバルの特徴は、純粋なアマチュアから、セミプロ、中小のプロダクション、海洋堂やタカラトミーのような大手企業までが同じフロアーに並んでいることである。そうした異なる存在が連続的につながることで、ガレージキットの世界が企業から個人作家、そして来場者全ての人により等しく支えられていることが分かる。
今回のワンフェスは広がった会場にも限らず、その盛況ぶりを感じるのに十分であった。さらに今回の様子をみると、イベントとしてのワンフェスはまだまだ拡大しそうな勢いだ。次回のワンダーフェスティバル2010[冬]は、2010年2月7日に今回と同じ幕張メッセでの開催を予定する。
ワンダーフェスティバル 公式サイト http://www.kaiyodo.co.jp/wf/