ファン翻訳マンガをビジネス化 デジタルマンガが構想

 米国のアニメ・マンガ情報サイト アニメニューズネットワーク、Yaoi Reviewによれば、米国でマンガ出版ビジネスを行うデジタル・マンガ・パブリッシング(Digital Manga Publishing)がファン翻訳によるマンガ配信サイトのプロジェクトを進めている。いずれもデジタルマンガのCEO笹原光氏の話として伝えている。
 デジタルマンガは米国の日本翻訳マンガ出版社の中堅で、『ベルセルク』や『西洋骨董洋菓子店』などを発売している。ロサンゼルスに本社を持ち、マンガをはじめ日本のポップカルチャーで様々なビジネスを展開する。

 報道によれば笹原氏は、スキャンレーションと呼ばれるファンによる翻訳マンガを集めたオンラインサイトを企画する。これらは日本の権利者から許諾を取り、合法的にスキャンレーションを流通させ、さらにこれまでより安い価格でファンにマンガを提供するとしている。
 サイトからの収益は、権利者、デジタルマンガ、翻訳者の間で分けられる。翻訳コストや翻訳にかかる時間を大幅に削減出来るという。サイトは当初はボーイズラブ作品を中心に数百タイトルでスタートするという。

 米国では6月初めに、日米の日本マンガ翻訳出版ビジネスに関係する42社がスキャンレーションを配信するサイトにサービス停止を求める警告を発表した。法的手段も辞さないとする強硬な姿勢に、これまで違法行為に慣れてきた違法サイトに衝撃を与えている。
 これまでも日本のアニメ、マンガの翻訳出版社が、違法ファイルを配信するサイトに警告を与える例はなかったわけではない。しかし、いずれも警告のみで実際に法的執行に至ったケースはほとんどないとみられる。この結果、逆に日本のマンガ・アニメ企業は、結局、法的手段はとらないとの安心感を与えてきた側面もある。今回の企業連合の行動が実際にどこまで進むのか、多くの関係者が注視している。

 そしてこの声明に対する違法サイトの反応は様々である。違法配信サイトのひとつMangaHelperは、違法配信から撤退、同人マンガの投稿にビジネスの方向転換をすることを明らかにした。
 また、二大サイトのひとつMangaFoxは6月18日になり、小学館・集英社系のVIZメディアの扱う数百タイトルをリストから削除した。このほかの作品の扱いは不明だ。もうひとつの大手であるOneMangaは今回の声明に反応することなく、これまで通りサービスを続けている。ただし、トップページのみはメンテネンス中としてアクセス出来ない。今後なんらかの動きを見せる可能性もありそうだ。
 そうした中でのデジタルマンガの動きだけに、今後の生き残り方法を模索する違法サイト、スキャンレーショングループがデジタルマンガと接触する可能性は十分ありそうだ。

アニメニューズネットワーク(Anime News Network)
DMP CEO: New Venture to Launch 1,000+ Manga Online

デジタル・マンガ・パブリッシング(Digital Manga, Inc)
http://www.dmpbooks.com/