文化庁 文化芸術振興の基本的施策の審議に意見募集中

 文化庁は文化審議会文化政策部会にて審議をされている「文化芸術の振興のための基本的施策の在り方」について国民から幅広く意見を募集している。この審議は文部科学大臣による諮問により今年2月からスタートした。
 6月7日には、これまでの議論をまとめた「審議経過報告」が提出された。文化芸術振興の方向性が明示された審議経過報告がまとめられたのを期に、より幅広い意見を募ることになった。意見は郵送またはファックス、電子メールにて、7月9日必着で受け付ける。

 この審議経過報告の中には、文化庁がメディア芸術として定義するアニメーションやマンガ、ゲーム、CGなどに関する文化政策についても多く言及されている。今後審議がまとまれば、これがこの分野でも文化政策の指針となるとみられる。
 メディア芸術に関する主要な施策は3つに絞ることが出来そうだ。ひとつは文化発信力の強化である。ふたつめは、メディア芸術関連の作品・資料の収集・保存、そして3つめがクリエイターの人材育成である。

 文化発信力の強化は、現在行なわれている文化庁メディア芸術祭の拡充が大きな課題となる。報告書では、メディア芸術祭を世界的なフェスティバルとして充実を図るとし、グローバルな拡大を狙う。同時にサテライト企画などによる地域への展開に言及する。
 さらにウェブでの展開や新人賞の創設による人材育成、メディア芸術の学術研究振興を目的にした論文賞の創設なども必要と述べる。メディア芸術祭を核に、多面的な展開が目指されていることが分かる。

 メディア芸術関連の作品や資料の収集・保存も大きな課題となっている。過去に浮世絵などの絵画が海外に多く流出した経験を踏まえ、計画的・体系的な収集・保存が必要、そのための公的支援が不可欠とする。同時に短期間でのアーカイブ構築は達成困難ともし、各分野の作品や資料などの所在情報の集積も進めるべきとふたつ方向からの展開を提言する。
 メディア芸術関連の収集・保存は、2009年に国立メディア芸術総合センターの議論の中でも行なわれた。当時は箱物・ハード優先の政策に批判が集まったが、ここではあらためて文化の収集・保存という活動からそれをスタートさせる方向性だ。

 また、独創的な新たな作品が生むには、その環境整備と若手クリエイターなどの人材育成が必要との方向性も明確にしている。こちら若手クリエイターの発表の場の確保、大学などの教育機関、企業と連携も掲げる。
 さらにクリエイターと同時に、それを紹介するキュレーターやプロデューサーの育成を必要とする。クリエイターについては、デジタル技術の導入について特に触れている。

文化庁 http://www.bunka.go.jp/

文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に関する意見募集の実施について
http://www.bunka.go.jp/oshirase_koubo_saiyou/2010/shingikeika_houkoku_ikenboshu.html