トムス通期決算 ライセンス販売堅調 制作は大幅減

 アニメ製作の大手トムス・エンタテインメントの平成22年3月期通期決算が4月30日に発表された。連結売上高は前年比で6.2%減少の132億9600万円となったが、営業利益は3億2900万円と12.9%の増加、経常利益は3億9000万円の39.5%の増加となった。
 また、当期純利益は11億1100万円のマイナスと昨年の6700万円の利益から赤字に転じた。当期純損失の発生は、アミューズメント事業で収益性・採算性の低い店舗の減損損失行うと同時に一部建物で賃貸借契約解除に伴う特別損失を計上したためである。

 アニメーション事業単独でも売上高は96億2100万円と、前年比で4.3%の減少である。営業利益は9億8000万円で3.8%増である。アニメーション事業全体では微減微増だが、現在のアニメ業界の環境を反映し、事業ごとでは大きな変化が出ている。
 アニメ制作は企画を進めるにあたって採算重視を進めた結果、テレビシリーズ、劇場映画いずれも本数が減少し、売上高は19.6%減の37億8100万円である。映画『名探偵コナン 漆黒の追跡者』が利益に貢献し、『それいけ!アンパンマン』、『名探偵コナン』、海外でヒットになっている『爆丸 バトルブローラーズ』などを制作している。

 販売収入では、国内向け番組販売とDVD販売が市場全体の不振の影響を受け、低調だったとしている。一方で、海外からのカードゲームを初めとする『爆丸』の商品ライセスが利益に大きく貢献した。また、『アンパンマン』のライセンスは堅調で、さらに遊技機向けライセンス販売も好調とライセンス事業が好調である。
 販売収入全体では、売上げは58億3900万円となり、前年比9.1%の増加である。制作収入の減少をライセンスでカバーしたかたちだ。

 全体でも劇場映画が大ヒットとなった『名探偵コナン』や『アンパン』といった定番番組の力が発揮された1年である。さらに新たに海外向けの『爆丸』のキャラクター事業で大きな成果をだすなど、アニメ制作、映像パッケージの落ち込みを、国内外のライセンス事業の拡大で乗り越える方向性が明確だ。
 平成23年3月期についても、さまざまなメディア展開を見据えて制作の維持・強化を図るとする一方で、優良コンテンツのライセンスビジネスを更に拡大するとしている。次期連結売上高は全体で137億8000万円、営業利益3億4000万円、経常利益4億1000万円、当期純利益9000万円を予想する。さらにアニメ事業は106億6000万円とし、およそ10%の増収を目指すことになる。

トムス・エンタテインメント http://www.tms-e.co.jp/