米国マンガ雑誌YEN PLUS休刊でオンラインに移行 

 4月21日、米国のマンガ出版社Yen Pressは、同社が発行するマンガ雑誌「YEN PLUS」を2010年7月号で休止することを明らかにした。そのうえで、今後オンラインマガジンとしての展開を探る。YEN PLUSは米国ではあまり一般的でない日本のマンガ雑誌のスタイルを取った月刊誌で、『黒執事』、『ソウルイーター』、『Pandora Hearts』、『隠の王』などを連載している。 
 休止の理由は、雑誌業界のビジネス環境変化によるものとしている。Yen Pressは、古い雑誌のビジネスモデルは通用しなくなっており、新しい方法を取るべきだとしている。「YEN PLUS」の発行部数はこれま決して多くないとされてきたが、出版・雑誌業界の新しいビジネスモデルに活路を開くことになる。

 また、雑誌はオンライン移行後も、毎月連載形式を続けるとしている。そのうえでYen Pressは、これまでよりも多い読者にリーチ出来ると説明する。オンラインマガジンについては、無料なのか有料なのかは不明だが雑誌の年間購読料は返金される。
 作品のラインナップがどうなるのかなども明らかにされていない。今後、公式サイトがオープン予定で、詳細はそれに合わせて発表される。

 Yen Pressは、フランスの大手出版グループ アシェット(Hachette)の米国法人が、ボーダーズのマンガ部門のバイヤーであったカート・ハスラー氏らをスタッフに設立した日本マンガの翻訳出版社である。『獣神演武』や『よつばと!』、『あずまんが大王』といった日本のマンガのほか、韓国マンガや米国オリジナルのマンガスタイルの作品も出版している。
 「YEN PLUS」は単行本とは別に同社のフラグシッププロジェクトとして、2008年の8月に創刊された。複数のマンガ家の作品を毎月連載のかたちで紹介する日本マンガ雑誌のかたちを取っている。作品は日本のスクウェア・エニックとのコラボレーションにより同社の連載マンガの翻訳作品のほか、現地の作家による作品、そして韓国のマンガも多数紹介してきた。

 米国のマンガ雑誌では、既に昨年夏にVIZメディアが発行する少女向けのマンガ雑誌「Shojo Beat」も発行を停止している。今回のYEN PLUSのオンライン移行で、日本スタイルのマンガ雑誌はVIZメディアによる「Shonen JUMP」だけとなる。
 一方、Yen Pressは米国のステファニー・メイヤーの人気小説『トワイライト』を韓国人作家キム・ヨンさんの作画でマンガ化し大ヒットを飛ばしている。今後は、日本のマンガ、現地で開発するマンガの双方を含め、単行本のビジネスにより注力していくことになりそうだ。

Yen Press http://yenpress.us/