アニプレックス 米国でDVDの自社発売スタート

 北米のアニメ情報サイト アニメニューズネットワーク(Anime News Network)によれば、日本のアニメ映像パッケージメーカー アニメプレックスが北米でアニメDVDの自社発売に乗り出す。アニプレックス・アメリカがこの7月に『天元突破グレンラガン』の2つの劇場版を、自社レーベルにて発売する。7月1日に『紅蓮篇』、7月30日に『螺巌篇』がリリースされる。
 アニプレックスはこれまで自社ライセンス保有アニメの北米での映像パッケージ化は、ファニメーションなどの現地の流通企業にライセンスを販売するかたちで行ってきた。今回の『劇場版 天元突破グレンラガン』は、自社レーベルでアニメDVDを発売する初のケースとなる。アニメニューズネットワークによれば、アニプレックスは来年3月までさらに5タイトルをリリースする予定である。日本のアニメ映像パッケージメーカーの米国市場への新規参入は2005年のバンダイビジュアルUSA以来となる。

 日本のアニメが海外で発売される際には、現地アニメ流通会社にライセンスするかたちで発売されることが多い。このため海外の日本アニメのDVDの大半は、現地企業のレーベルで流通している。
 日本の企業はランセンス販売では、MGと呼ばれる最低保障金額をライセンシーより受け取るため比較的リスクが少ないビジネスとなっている。しかし、日本企業の受け取る金額はリテール価格の数パーセントのため、海外での日本アニメ関連市場の大きさに較べると絶対的な金額は小さかった。海外での人気に較べて日本のアニメ企業の利益が大きくないとされる理由のひとつになってきた。

 また、過去数年間の世界的な日本アニメDVDの販売減少で、このライセンス販売価額が急落するといった問題も発生している。例えば、米国では2000年代半ばより始まったアニメDVD不況の影響を受け、アニメDVDの発売・流通会社の撤退、タイトル数の大幅圧縮が続いている。
 現在の北米市場では現地系のファニメーションが市場の過半数を握るかたちでトップに立ち、小学館・集英社系のVIZメディアがこれに続いている。しかし、3位以下のバンダイエンタテインメントを含めた各社は取り扱い作品を大きく減らしている。
 VIZメディアはグループ企業の作品を中心としており、またキッズ向けの作品の取り扱い大きい。このためマニア向けアニメの主要なバイヤーがファニメーションに絞られるかたちになった。この結果、北米向けのアニメのライセンス価格が下落したとされている。

 アニプレッスは今回の直接進出、自社レーベルでの発売により、より高い収益を目指すことになる。しかし一方で、DVDの在庫リスクなども抱えることになる。さらなる企業成長のためのリスク覚悟の現地進出となる。
 特に、日本より小売店の力が強いとされる流通や、依然深刻なインターネット海賊版、急激に進展しながらも十分な利益に結びついていないオンライン配信と課題は多い。しかし、こうした課題を乗り越えれば、アニプレックスの利益が大きく広がることは間違いない。過去5年間後退続きであった北米アニメ市場でのアニプレックスの挑戦に注目される。

アニプレックス http://www.aniplex.co.jp/

アニメニューズネットワーク(Anime News Network)
http://www.animenewsnetwork.com/
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