NISアメリカのアニメDVD 自社直販サイトでも販売

 今年2月に、北米での日本アニメの現地版の発売・流通ビジネスへの参入を表明したNIS アメリカは、にその第1弾のタイトル『とらどら!』と『ペルソナ 〜トリニティ・ソウル〜』の発売日が7月であることを明らかにした。
 商品はDVD2枚にそれぞれ13話を収録、さらにアートブックがセットになっている。価格は定価で59.99ドルとかなり安くなっており、現在米国でマニア向けのアニメ作品で主流となっている低価格路線を取り入れる。吹き替えは含まれず字幕版のみとみられ、最小限のコストで薄利多売を目指すことになりそうだ。

 一方、今回注目されるのは、現時点でDVDの流通をインターネットショップに限っていることだ。NISアメリカは、アニメDVD販売の大手ライトスタッフ(Right Stuf)、アニメキャッスル(Anime Castle)、ジ・アニメ・カマー・ストア(The Anime Corner Store)、アニメネイションズ(AnimeNation)に限定して予約受付を開始している。
 日本アニメを米国で販売する際にこれまで大きな問題となっていたひとつは流通である。日本の様な効率的な卸売を通じた流通システムがなく、日本と較べて小売店が大きな力を握っている。

 例えば、大型量販店のウォルマートやエクトロニクス関連商品チェーンのベストバイ、ネットショップ大手のアマゾン・ドットコムは、商品の取り扱いに当たりかなりの数の商品が販売されることを要求し、仕入れロットが大きくなる。ニッチな商品が多い日本アニメはこれに対応出来ないケースが多い。
 同時に小売店の強力な販売力を武器にかなり厳しい取引条件を要求するため、実際に商品が売れても儲けはほとんどないというケースも多いとされている。

 今回NIS アメリカは、そうした取引条件が厳しい大型小売店を避け、アニメファンが利用するインターネットの専門ショップでの販売に集中する。実際にマニア向け作品の米国アニメファンの少なくない数が専門店を利用するから、販売手段としては悪くない。流通のネット集中によるコストの低減は、例え同じ価格の商品であっても、NISアメリカの販売利益率が高くなる可能性が高い。
 また、NISアメリカは自社のショップ、RosenQueenでも商品の直販を行う。こちらはどの程度のユーザーが利用するかは未知数だが、それでも直販であればさらに商品販売の利益率が上昇する。厳しいとされる米国のマニア向けのアニメDVDマーケット、NISアメリカの戦略に国内外の業界から注目が集まる。

NIS アメリカ http://www.nisamerica.com/