米国4キッズ4期連続赤字 日本アニメ回帰を表明

 米国の大手キャラクター企業の4キッズ・エンタテインメント(4Kids Entertainment)の2009年通期の決算が、4期連続の最終赤字となった。また、最終損失は5250万ドルにも及び過去最高水準となった。
 一方、通期売上は最終損失金額を下回る3680万ドルと前年比37%減であった。この数字は4年前のおよそ半分の水準となる。昨年暮れに大型の人員整理を行った4キッズの苦境ぶりが明らかになったかたちだ。

 売上高の減少は、同社が独自に開発し力を入れてきたカードゲーム『カオティック:Chaotic』の苦戦によるところが大きい。トレーディングカード、ゲーム流通部門の売上高は260万ドルと2008年の1530万ドルから83%減少した。
 4キッズは景気後退の影響で小売店が在庫の大幅圧縮に動いたこと、その結果在庫が膨らんだこと、『カオティック』の人気が不十分であったことを理由に挙げる。
 また、放送・広告事業も2008年1640万ドルから280万ドルと83%減である。これについては放送会社The CWとの広告収入の契約に関するものだとしている。テレビ/映画事業は730万ドル(同13%減)だった。
 一方、ライセンス事業は堅調だった。売上高2410万ドルは前年比で41%増である。同事業では、依然『遊戯王』が、売上の大半を占めている。4Kidsはもう一つの有力コンテンツである『ミュータント忍者タートルズ』をニコロデオンへ売却することを決定しており、当面はさらに『遊戯王』に対する事業依存が増しそうだ。

 赤字の拡大について、同社のアルフレッド・カーンCEOは、現在のマーケットのトレンドを受けたこと、そして会社の経営立て直しに着手したためとしている。そして、コストの見直しやバランスシートと資産価値の再評価を進めていると話す。
 ただし、財務体質については、1070万ドルの現金と1410万ドルの有価証券を保有しているとして、その健全性をアピールした。過去の損失額は大きいが、4キッズはもともとキャシュリッチな企業だったため、借入金は少ない。

 こうした業績の悪化を受けて4キッズは、2010年から過去数年間に取ってきたビジネスモデルを大きく変更することを明らかにした。通期決算の発表を受け3月18日に開催された企業説明会の中で、カーンCEOは、『カオティック』の事業を開始する以前のビジネスモデルに回帰するとした。
 日本のアニメ・キャラクターを海外に紹介するライセンスとマーチャンダイジングを2010年の事業の中核とする方針だ。これは過去4年間力入れてきた自社コンテンツの開発、カオティック事業の失敗を認めることになる。
 さらに近日中に日本からの大型ライセンスの獲得を発表するとし、この作品が今後の同社の業績に大きな成果をもたらすだろうとする。またさらに日本の有力コンテンツを探している途中だともしている。

 4キッズは2006年以来、日本アニメ・キャラクターの権利を次々に手放してきた。同社が日本からライセンスを獲得したのは2007年の『恐竜キング』が最後である。そして現在、展開している日本コンテンツは、この『恐竜キング』と『遊戯王』のふたつだけだ。新しい事業方針は、これまでとは全く異なるものとなる。
 過去4年間は業績不振に悩まされた4キッズだが、もともとは90年代末にいち早く日本のコンテンツに目をつけて『ポケットモンスター』、『遊戯王』の世界展開で大きな成功を収めた。さらにカーン氏は、2007年初頭にいち早く、日本アニメビジネスの低迷を指摘した人物でもある。時代のトレンドを読む確かさは定評のあるところだ。

 今回の4キッズの事業方針転換は、トレーディングカード事業に失敗の結果ではある。それでも新ためて日本アニメ・キャラクターに力を入れると宣言するのには、カーン氏が時代の流れを読んだうえで、勝算があると判断したためと言える。
 2009年秋にディズニーXDが『NARUTO 疾風伝』の放映を開始し、今年秋からニックトゥーンが『ドラゴンボール改』の放映を開始する。実際に日本アニメへの再評価の機運を感じさせる。
 米国の日本アニメ市場はマニア向けの市場がDVDを中心に不振に陥る一方で、『NARUTO』、『ポケットモンスター』、『ドラゴンボール』、『爆丸』などマス向けの作品は堅調だ。DVD売上高も、売上上位作品は、これらのタイトルで占拠されている。今後、北米でマス向けの日本アニメが再注目される可能もありそうだ。

4キッズ・エンタテインメント(4Kids Entertainment)
http://www.4kidsentertainment.com/