SCE 英国のゲーム開発会社を買収 開発力強化へ

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は3月2日付けで、英国サリー州にあるゲームソフト開発会社Media Moleculeを買収したことを明らかにした。Media Moleculeは2006年に設立された独立系の小規模のスタジオだが、プレイステーション3向けの『リトルビッグプラネット』の開発で広く知られている。
 買収価格や買収条件については明らかにされていない。SCEは今回の買収により、エンタテインメントコンテンツの制作能力が強化されるとしている。

 Media Moleculeの手がける『リトルビッグプラネット』は、全世界で300万本以上のゲームソフトを出荷した大ヒットゲームだ。ゲームの特徴は、これまでのPS3向けソフトではあまりなかったユーザージェンレイト型のインタラクティブ性である。ユーザーはキャラクターが活動する新しいステージを自由に制作し、それをネットワーク通じて世界中の他のユーザーと共有、一緒に楽しむことが出来る。現在、このステージの数は世界で200万を超えるほどアップロードされている。
 こうしたMedia Moleculeの持つ創造性を、SCEが高く評価するかたちとなった。SCEは国境を越えて、新しいゲーム開発力を高める。

 国内の大手ゲーム企業は近年、伸び悩む国内市場なかで成長性の高い海外市場の事業拡大に今後の成長の活路を求めつつある。他のエンタテインメントコンテンツに先駆けて、海外への直接進出が進んでいる分野となっている。
 一方で、海外進出のネックになっているのが、ゲームソフトの流通力、そして国内と異なる消費者のゲームソフトに対する嗜好である。日本のゲーム企業の一部は、こうした問題を現地企業の買収M&Aにより解決しようとする傾向が近年みられる。スクウェア・エニックスにより英国の大手ゲーム会社アイドスの買収、バンダイナムコゲームスによるフランス・アタリの流通事業の買収などである。

 今回のSCEにMedia Moleculeの買収もそうした流れの一環といえそうだ。SCEは、2000年代後半になりオランダのゲーム会社Guerrilla、米国のオンラインゲーム会社Zipper Interactive、そして、『モーターストーム』で知られる英国のEvolution Studiosを相次いで買収している。
 SCEにとって、ゲーム開発力強化のためのM&Aは規定路線となっている。今後も、自社に弱みがある事業をM&Aにより強化していく可能性は強いだろう。

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE) http://www.scei.co.jp/
Media Molecule  http://www.mediamolecule.com/