ソニー 2011年に米国で3D専用放送局 子供番組も放送

 1月6日、ソニーは2011年に米国で、3D(立体視)映像番組専門のネットワーク放送局をスタートさせることを発表した。米国大手メディアグループのディスカバリー・コミュニケーションズ(Discovery Communications)、カナダのIMAX社(IMAX Corporation)と事業運営のための合弁会社を立ち上げる。
 ディスカバリー・コミュニケーションズは、ディズカバリーチャンネルや教育テレビTLC、アニマルプラネットなどの専門チャンネルを世界各国で運営している。また、IMAX社は高画質の映画上映システムとして知られるIMAXの開発・運営などを行っている。映画上映の先端を走る会社として知られている。

 発表によれば3社は、それぞれの持つ3D コンテンツ、専門技術、テレビ番組放映網、運営力を結集することで米国の家庭に3D 映像を届けることを目指す。2011年にまず米国でビジネスを開始し、その後はそれ以外の地域での事業化も検討に入れる。
 3D(立体視)映像は、近年、劇場映画での活用が進んでいる。2008年頃より3Dで制作された劇場映画が増加しており、2009年は空前の大ヒットとなった『アバター』が大きな話題を呼んだ。また、CGアニメーションは、現在最も3D映像にされることが多いコンテンツで、日本でも3D映画の上映は急増している。

 今後、3D映像の波は、家庭用テレビにも押し寄せる勢いである。2010年には3D映像の視聴に対応した3Dテレビが、ソニーを始めとする映像機器メーカーから発売されることが見込まれる。また、現在公開されている3D映画のソフト化で、放送向け、映像パッケージ向けの作品も今後急速に増える。
 今回の計画では、こうした3Dテレビの普及を促す狙いもあるとみられる。同時に、いち早くこの分野に乗り出すことで、3D映像の放送事業でリーダーシップを取ることを目指す。

 合弁事業の中でソニーは、放送のための番組コンテンツや広告の獲得を担当する。映画、音楽、ゲームを3Dコンテンツとしてテレビ向けに権利化することなども検討する。
 また、放送ビジネスを行っているディスカバリーは加入者獲得やネットワークサービスを行う。自社コンテンツの3D 化権利なども提供する。
 さらにIMAXは、全米展開する自社IMAX導入劇場でのプロモーションを展開し、3D 映画のテレビ権利化を推進、自社が保有する映像関連特許や3D 技術のライセンスを提供する。次世代を目指した大掛かりな取り組みになる。

 実際に放送されるコンテンツは、ディスカバリーのほか、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント、IMAXが保有する作品を中心に、自然史、宇宙、探検、冒険、工学、科学、技術、映画、子供向け番組としている。
 子ども向け番組が含まれていることで、3D制作が多いアニメーションも重要なコンテンツとなる可能性が高い。

 さらに、今回の合弁事業は、グループ会社ソニー・ピクチャーズを中心とした同社のメディアコングロマリットとしてのソニーにも大きな影響を与えそうだ。ソニー・ピクチャーズは、米国ハリウッドメジャーのひとつとされるが、米国の放送事業に弱みを持つ。
 他のメジャーのような地上波ネットワークを保有しないだけでなく、有力なケーブルテレビチャンネルも持たない。アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカでは、映画・ドラマ専門チャンネルANXやアニメ専門チャンネル ANIMAXはの人気が高いが、米国では展開をしていない。
 3D(立体視)映像番組専門のネットワーク放送局の計画は、同社が米国放送事業に進出するきっかけにもなる。新世代の技術を利用して一気に、放送事業で巻き返す狙いもあるとみられる。

ソニー http://www.sony.jp/
ディスカバリー・コミュニケーションズ(Discovery Communications)
http://corporate.discovery.com/
IMAX社(IMAX Corporation) http://www.imax.com/