2009年アニメビジネス10大ニュース

 1. アニメの海外同時展開ビジネスはじまる
 2. エヴァ、サマーウォーズ 劇場アニメにヒット作続出
 3. 国立メディア芸術総合センター騒動
 4. ガンダム30周年 お台場の1/1立像が社会現象に
 5. GONZO上場廃止 アニメ業界に不況の影
 6. 一ツ橋グループ 仏独アニメ流通会社買収
 7. 活性化する地方アニメスタジオ 西ジブリなど誕生
 8. ロカルノ国際映画祭で日本アニメ特集
 9. テレビ東京にアニメ局誕生 
 10. 国内3DCGに長編劇場アニメ「ホッタラケの島」「よなよなペンギン」

【アニメの海外同時展開はじまる】

 今年1月、米国・サンフランシスコのベンチャー企業クランチロールは、テレビ東京など日本の権利者の協力を得て『NARUTO』や『銀魂』などの人気テレビアニメの日本国外向けインターネット配信を開始した。配信は日本のテレビ放映からわずか1時間後、日本語の番組に英語字幕をつけたものである。長年、海外のアニメファンから要望の高かった、日本と海外のアニメ作品同時展開実現となった。
 この動きは他社に瞬く間に波及し、『鋼の錬金術師 FULL METAL ALCHEMIST』、アニメ『ONE PIECE』など有力作品が次々に国内外同時展開を開始した。わずか一年で、日本で放映されたかなりの作品が、ほとんど時差を置くことなく海外でも視聴出来るようになった。
 さらにVIZ Mediaが北米で行う『境界のRINNE』の様に、マンガにも波及し始めている。2009年に日本アニメの海外のビジネスは、インターネットを中心に全く異なる様相を見せ始めた。

 しかし、違法配信対策も含まれている海外同時展開は、ビジネス面では依然脆弱である。クランチロールは日本の権利者と話合うことで著作権に対する意識を飛躍的に改善したが、サイトの有料会員は伸び悩んでいる。今後は、同時展開の利益化が大きな課題となる。
 それは、北米でやはり同時展開を手掛けるVIZ MediaやFUNimationにも共通する問題である。依然、残る違法配信、そして『ONE PIECE』の配信前の番組ネット流出事件に見られる違法配信利用者の合法配信に対する悪意の存在など解決されていない問題は依然多い。

【ヱヴァ、サマーウォーズ 劇場アニメヒット作続出】

 2009年は劇場アニメの公開が多かった年である。本数が多いだけでなく、予想を超えるヒットとなる作品が多かったのが特徴だ。その中で特筆すべき存在は、『ヱヴァンゲリオン新劇場版:破』と『サマーウォーズ』の大ヒットである。
 120スクリーンで6月27日に公開をスタートした『エヴァンゲリオン新劇場版:破』の興行収入が、大ヒットと言われた前作『序』のさらに2倍 40億円の興収を達成したことは事件と言っていいだろう。
 また、完全オリジナルの劇場アニメ『サマーウォーズ』が、細田監督の前作『時をかける少女』の興収をこれも5倍以上16億円を超えたこともまた事件だ。スタジオジブリ以外のオリジナルの長編劇場アニメはこれまで興収10億円に壁があり、それを超えるのはかなり難しいとされていた。『サマーウォーズ』は、それをやすやすと超えた。

 両作品のヒットはアニメ映画がマーケティングのやり方次第では大きなムーブメント生み出し、予想外のヒットとなることを明らかにした。年末に公開され社会現象というほどの盛り上がりを見せた『ONE PIECE』の劇場版第10作『ONE PIECE FILM Strong World』も同様だろう。これも興収は前作の3倍以上は堅いところだ。
 こうした動きは、数館から数十館規模の小規模な劇場作品にも多数見られた。『劇場版 マクロスF』、『東のエデン 劇場版』、『劇場版 交響詩篇エウレカセブン』、『テイルズ・オブ・ヴィスペリア』など、予想を超えるヒット作品が続出している。こうしたトレンドは2010年以降も続くのか?新しいビジネスモデルを模索するアニメ業界にとっても無関心でいられないはずだ。

2へ続く