文化庁 国立メディア芸術総合センターのアイディア募集開始

 文化庁は、平成22年完成を目指す国立メディア芸術総合センター(仮称)設置構想に関して、一般から広くアイディアを募集する。7月7日から文化庁のサイトにて、募集を受け付けている。
 募集するアイディアはセンターが魅力的になるようにとし、事業内容や施設内容・規模、管理運営体制などを対象とする。アイディアは7月13日まで、メールにて受け付ける。

 国立メディア芸術総合センターは、アニメやマンガ、ゲーム、デジタルアーツなどの研究、調査、展示、保管・収蔵などの施設として計画されている。
 本年の補正予算に、土地の購入・施設建設費117億円が計上されている。施設設立予算が巨大なことや、そのプランの決定が急なこともあり、現在、構想の是非について大きな議論が巻き起こっている。

 批判の中心は、急な決定とセンターの実際の内容や運営方法などソフト面の計画が曖昧なことだ。建設開始までの期間も短く、早急な具体的事業内容の立案が求められていた。
 今回のアイディア公募はこうした批判に応えるためで、広く意見を求めることで、センターの実現を確かにする狙いがありそうだ。

 文化庁は一般からのアイディアから求める一方で、専門家によるセンターの事業内容、管理運営、施設整備の必要な事項について議論する国立メディア芸術総合センター(仮称)設立準備委員会も7月2日に設置している。
 一般からの意見を取り入れつつ、こちらではより具体的な計画のとりまとめを進める。設立準備委員会は7月2日に第1回委員会を開催した。さらにこれに続き、7月8日に第2回、7月10日に第3回の委員会を開く。

 第2回、第3回とも関係者からのヒアリングが、中心議題となる。各分野から様々な意見を聞くことで、新施設のニーズを探る。
 第2回にはマンガ家の松本零士さん、映画監督の樋口真嗣さん、アニメーター・演出協会(JAniCA)の顧問弁護士桶田大介さんが会議に招かれ発言を行う。同様に、第3回には藤木秀朗名古屋大学准教授、原田大三郎多摩美術大学教授、それにエンターブレイン代表取締役社長浜村弘一さんがヒアリングを受ける。

 わずか1週間の間に3度もの会議が開かれるのは、政府系の会議では異例のスピードである。センターへのアイディア一般公募も合わせると、文化庁が短期間で一気に設立案を取りまとめたい様子が伺える。
 スピード感のある計画や幅広く意見を求めることは、望ましいことだ。しかし、様々な意見を満遍なく取り入れることで、中身の薄い百花総攬的な施設になる危険も高くなる。むしろ、今回必要なのはきちんとした理念を持つこと、そして研究、調査、展示、保管、収蔵など既に盛りだくさんになっている内容の取捨選択を行うことだ。
 そして一番求められているのは、価値ある施設の実現をとりまとめられる強いリーダーシップである。国立メディア芸術総合センターが真に価値ある施設になるかどうかは、この夏の議論の行方が鍵になる。

文化庁 http://www.bunka.go.jp/