メディアドゥ 講談社作品の米国デジタル配信業務を受託

コンテンツのデジタル流通・取次事業を手掛けるメディアドウは、講談社の英語版電子書籍の北米配信に関する受託業務契約を締結したと発表した。これは2014年に設立されたサンフランスコにある講談社の米国現地法人Kodansha Advanced Media LLC.との取組みとなる。
発表によればメディアドウは、Kodansha Advanced Media LLC.が配信している英語翻訳版電子書籍を、北米の主要電子書店向けに提供する。配信先書店などの事業の詳細は、2015年7月2日に東京ビッグサイトで開催される国際電子出版EXPOのプレゼンテーション「講談社×メディアドゥ 海外における戦略的パートナーシップ」で明らかにするとしている。

メディアドゥはこれまでに国内でLINEマンガやdブックなどに向けて、講談社作品の取次業務を行ってきた。今回はこれを北米に広げる。電子書籍の取次流通では国内3大企業の一角であるメディアドゥが目指す海外事業展開にも弾みがつきそうだ。
事業の詳しい内容は7月2日の発表を待つことになるが、メディアドゥのこれまでの取り組みが活用されるとみられる。同社は2015年5月に電子図書館プラットフォーム世界最大手の米国企業OverDriveと業務提携を結んでいる。またやはり米国の新興企業であるScribdとも戦略提携を結んでいる。こちらは電子書籍・テキストの定額利用サービスを展開する。
一方メディアドゥは、2014年10月にはLINE、講談社、小学館と共同出資で、LINEマンガの海外展開を目的にしたLINE Book Distributionを立ち上げている。事業の一部が重なると見られるため、LINE Book Distributionと棲み分けが今後課題になりそうだ。

講談社はメディアドゥのこうした海外での取り組みを評価したといえるだろう。講談社は国内では総合出版として知られるが、米国での英語翻訳出版の大半はマンガとなっている。2011年に発売した新装版『美少女戦士セーラームーン』、続く『進撃の巨人』の大ヒットによりマンガ部門が急成長した。現在の日本マンガの翻訳出版では、小学館・集英社系のVIZ Media、アシェット系のYenPressと並ぶ三大大手のひとつだ。
しかし、他の2社と比べるとデジタル配信の対応が遅れている。人気作品が多いだけに、これが大きな機会損失となっているとみられている。そうしたなかで講談社は、2013年秋には日本アニメ配信の大手クランチロールと協業を目指した。また2015年2月にはインターネット事業のデジタルガレージと北米のデジタルマンガ事業に乗り出すとして、株式会社DK Gateを設立した。しかし両事業は現状であまり進展していないようだ。
そこで今回のメディアドウとの取組みとなる。作品のヒットはあるのにデジタル流通に対応しきれていない。講談社の課題がこれで解決するのか、関心を集めそうだ。
[数土直志]