「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展 ポップカルチャー3分野の四半世紀を国立新美術館が展望

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この夏、東京・六本木の国立新美術館で野心的な企画展が開催される。「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」と題して、1989年から2014年まで25年間のアニメ、マンガ、ゲームのメディア表現を展望するものだ。
2月4日には国立新美術館にて開催発表会が実施され、本展覧会の概要とコンセプトも明らかにされた。また当日は「日本から世界へ—マンガ、アニメ、ゲームによる文化発信と交流」と題した国際シンポジウムもあり、国内外の日本のアニメ、マンガ、ゲームについての状況を浮き彫りにする討論が行われた。

近年、マンガやアニメ、ゲームをテーマとした展覧会は少なくない。しかし、本展をキュレーションする国立新美術館主任研究員の室屋泰三氏によれば、こうした展覧会の多くは個別ジャンルや作品、時期にフォーカスしたものにとどまっているという。
今回の企画展は25年の比較的長いスパンで、アニメ、マンガ、ゲームの3ジャンルをまたぐところに特徴がある。ポップカルチャーを代表する3分野が相互にどう関連があり、それが何を表現してきたを明らかにする前例のない取り組みとなる。

一方で、マンガ、アニメ、ゲームと各分野ともその作品と歴史の積み重ねは膨大だ。これを網羅するとなると、かなりの困難さが生じる。実際に今回取り上げる時代を25年に区切ったのは、スタートになる89年が社会や文化の節目となった時期であることに加えて、ある程度の時期のフォーカスが必要との判断があったと説明された。
また展覧会は全てを語るものではなく、メディア表現の変化と時代を追うもの、断面を切り出すものだという。このテーマに沿った作品をピックアップする。それだけに、企画、キュレーション側がどう時代を捉え、観客にそれを展示するのかも楽しみのひとつになるに違いない。

現在、発表されているテーマは8つに分けられている。『現代のヒーロー&ヒロイン』『テクノロジーが描く「リアリティー」―作品世界と視覚表現』『ネット社会が生み出したもの』『出会う、集まる―「場」としてのゲーム』『キャラクターが生きる=「世界」」『交差する「日常」と「非日常」』『現実とのリンク」「作り手の「手業」』である。
このテーマに沿って、アニメでは『NARUTO』『電脳コイル』ほか、ゲームでは『ドラゴンクエストIV』『ストリートファイターII』『バイオハザード』『ファイナルファンタジーVII』『うたの☆プリンセスさまっ♪Repeat』『ラブプラス』『メタルギアソリッド』ほかを取り上げる。作品の多くは現在出品交渉中ということもあり、その全貌がわかるのは少し先になりそうだ。

毎年多数の展覧会を開催する国立新美術館だが、そのなかで自身が主催となる自主企画は必ずしも多くない。「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」はそうした展覧会のひとつで、国立新美術館がメディア芸術と呼ばれるこの分野に大きな力をいれていることが判る。
展覧会は6月24日から8月31日まで国立新美術館で開催された後に、兵庫県立美術館を巡回する。さらにその後は、海外巡回に向けた調整も行っているという。これが実現すれば現在の日本カルチャーを紹介するうえで大きな役割を果たすに違いない。

「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」
Manga*Anime*Games from Japan
http://www.nact.jp/exhibition_special/2015/magj/

国立新美術館
http://www.nact.jp/