シネコン再編続く ローソンがユナイテッド・シネマを買収 流通系企業が台風の目に

コンビニエンスストア業界大手のローソンは、子会社ローソンHMVエンタテイメントを通じてアドバンテッジパートナーズ有限責任事業組合が保有するユナイテッド・エンターテインメント・ホールディングスの全株式の譲渡を受けると発表した。8月6日に譲渡契約を締結、8月28日に譲渡を完了する。譲渡価格は明らかにされていない。
ユナイテッド・エンターテインメント・ホールディングスは、国内第3位のシネマコンプレックスチェーンのユナイテッド・シネマの親会社にあたる。2012年にアドバンテッジパートナーズが住友商事からユナイテッド・シネマを買収する際に設立された。

ローソンは、国内有数の巨大シネマコンプレックスチェーンを傘下に抱えることになる。ローソンによれば、今回のユナイテッド・シネマの買収はグループのエンタテインメント事業のサービス拡充のためである。ローソンは2010年にHMVを買収し、CDやDVD・BD、本、ライブチケットなどの販売を行うなどすでにこの分野で実績がある。
今回は毎日800万人のローソンの店頭の顧客と、約6400万人のPonta会員、約1300万人のローソンHMVの会員に、さらに年間1300万人のユナイテッド・シネマの来場者を結びつける。既存事業に映画館事業が加わることで、総合エンタメ流通企業を目指す。
実際に映像・音楽のエンタテインメントでは、CD、DVD・BDの販売、チケット情報と販売、さらに映画興行でユーザーが消費の際に接するほとんどのジャンルをカバーしたことになる。文字どおり総合エンタメ流通企業として大きな力を発揮する。
また、ローソンの筆頭株主である三菱商事は子会社のアニメライセンス会社であるディーライツを通じてスタジオジブリ作品とも関わりが深い。こうした部分での影響も気になるところだ。

流通企業系のローソンが大手シネコンを傘下に収めたことは、国内のシネコン業界に大きなインパクトを与えそうだ。シネコン業界では2013年春に、イオンがワーナー・マイカル・シナマズ(現イオンシネマ)の株式持ち分50%をワーナー・ブラザースから買い取り、完全子会社としたばかりだ。一方、今回買収されたユナイテッド・エンターテインメントも、2013年春に角川シネプレックスを買収、事業統合している。
これらにより国内シネコン事業はワーナーと角川映画、住友商事が映画興行から撤退し、1位のイオンシネマ(イオングループ)と3位ユナイテッド・シネマ(ローソン)、5位109シネマズ(東急)と流通系企業が存在感を増す。
これに対抗するのが業界2位のTOHOシネマズ(東宝)、4位MOVIX(松竹)、6位ティ・ジョイ(東映)となる。国内シネコンのサイト数は一部で飽和状態との声も聞こえるが、TOHOシネマズは2014年春に日本橋にシネコンをオープン、2015年春に新宿、2017年には上野にも新設する。積極投資で、競争が激化するなかで他社に対抗する。流通系と映画会社系のいずれにビジネスのアドバンテージがあるのかも、今後は関心を集めそうだ。