日本マンガ出版の米国最大手Viz Media 電子コミック配信comiXologyに作品提供開始

無題日本アニメの海外向け配信が急激に拡大する中で、日本を代表するもうひとつのポップカルチャーであるマンガの海外デジタル配信の遅れを指摘する声が多い。そうしたなかで北米の日本マンガ出版最大手のViz Mediaと米国最大の電子コミックス配信プラットフォームcomiXologyが手を組んだ。日本マンガの普及にも一役買いそうだ。
Viz Mediaは6月10日より『NARUTO』、『ワンピース』などの人気マンガのcomiXology向けに配信を開始した。VizMediaはcomiXologyのプラットフォームを活用することで、自社作品の読者へのアプローチを拡大する。

サービス開始当初からラインナップは充実している。『NARUTO』や『ワンピース』、『Bleach』、『NANA』、『青の祓魔師』、『ドラゴンボール』といった人気マンガの英語版が500冊以上提供された。またマンガのフォーマットがアメコミで一般的な左開きでなく右開きであることから、comiXologyは新たにマンガ専用の「Manga Fixed Format」を開発し、これに対応している。

Viz Mediaは、小学館、集英社、小学館集英社プロダクションが出資する日本マンガやアニメの大手企業だ。早くからコンテンツのデジタル配信に積極的に取り組んで来た。マンガについても、自社ポータルサイトやアプリなどでユーザーに提供してきた。
しかし、自社ブランドだけでは従来ファン囲い込みにはなるが、新たなファンの取り込みに力が欠ける。かつては本屋が新規のファン獲得に大きな役割を果たしたが、本屋の力は急激に弱くなっている。そこでcomiXologyの持つユーザーネットワークが、Viz Mediaにとって大きな価値を生む。

comiXologyはアメリカンコミックスにフォーカスした独自の電子書籍配信で近年急成長している。電子コミックスの分野では、ほぼ市場を独占するかたちだ。この4月にはAmazon.comによる自社買収に合意したと発表したばかりでもある。
しかし、アメコミだけでは今後の成長に限りがあり、今後は海外や他ジャンルへの進出が課題だ。日本マンガは近年は紙出版での売上げを落としているが、インターネット上の膨大な海賊版の流通から北米、そして世界でも多数のファンがいるとみられる。Viz Mediaの豊富なマンガ作品で、comiXologyはアメコミに加えて、日本マンガのラインナップを一気に拡大する。今回のViz Media の作品配信開始は、comiXologyにとってもユーザーアプローチの拡大に大きな役割を発揮することになる。