スクウェア・エニックスHD通期決算 ゲーム復調、出版部門は減収減益で伸び悩む

平成26年3月期のスクウェア・エニックス・ホールディングスの連結決算は、当初の見込みを上回る好調だった。売上高は1550億2300万円と前年比4.8%増と小幅増加となる一方で、利益面では大きな黒字転換を実現した。営業利益は105億4300万円、経常利益は125億3400万円、当期純利益は65億9800万円である。
業績はオンラインロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」やスマートフォン向けゲーム「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」などのオンラインでのゲームの好調が牽引した。また、家庭用ゲーム機向けソフトウェアの販売も好調だった。

この結果、ゲーム部門となるデジタルエンタテイメント事業の売上高は945億7100万円(5.7%増)、営業利益は107億900万円(前年同期は4400万円)となった。ここでも復調ぶりが窺える。
また、アミューズメント事業の売上高は469億5200万円(6.0%増)、営業利益は45億1700万円の黒字転換だった。ライツ・プロパティ等事業の売上高は37億8600万円(16.0%増)、営業利益は11億1500万円(67.2%増)とこちらも増加している。

一方で、同社の4つの事業セグメントのひとつである出版事業は伸び悩んでいる。2014年3月期の売上高は102億2800万円(7.7%減)、営業利益は22億9300万円(7.7%減)である。出版事業は他事業に比べて売上げは小さいが利益率が高いのが特徴で、平成26年3月期もそうした傾向は同様だ。
しかし、小幅ではあるが平成26年3月期で唯一の減収減益部門となっている。さらに今回で4期連続の減収減益となる。過去最高の売上高、営業利益であった4期前の2010年に比べて売上で29%減、営業利益で44%減となる。

スクウェア・エニックスHDの出版事業はマンガ雑誌や単行本、ゲーム関連書籍などの出版、さらにそのアニメ化、映画化の企画、許諾なども含まれる。全体に占める割合が大きいのはマンガ関連の雑誌、書籍の関連ビジネスである。雑誌には「少年ガンガン」、「Gファンタジー」、「ガンガンJOKER」、「ヤングガンガン」、「ビッグガンガン」などがあり、ウェブマガジン「ガンガンONLINE」も運営している。
メディアミックスを得意としてきたスクウェア・エニックスの出版事業だが、近年のマンガ雑誌や単行本を取り巻く厳しい環境は同社にも影響しているようだ。紙出版は厳しい局面が続くとみられるため、今後は成長する電子書籍とヒット作がでるとビジネスが広がるメディアミックスでの企画を生み出すことに注力することになるだろう。

そうしたなかでスクウェア・エニックスは、自社の電子書籍の売上高拡大を報告している。電子書籍の四半期売上高が急拡大しているという。2014年第4四半期の売上は、およそ2年前の2013年第1四半期の8倍にも達した。
またウェブマガジン「ガンガンONLINE」の連載作品からは、『男子高校生の日常』、『マンガ家さんとアシスタントさんと』、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』などのアニメ化作品が増えている。今期も『ばらかもん』、『月刊少女野崎くん』がアニメ化される。電子書籍のプラットフォームを活用したビジネスモデルも拡大中だ。環境の変化による停滞を端境期として再び出版事業を成長軌道に乗せるのか、今後の動きも気になるところだ。