AICの全株式 代表取締役三浦亨氏がアプリックスIPより取得 独立会社に

ソフトウェア開発販売・エンタテインメント事業のアプリックスIPは、1月20日、アニメ製作の連結子会社AIC(アニメインターナショナルカンパニー)の発行済全株式8000株をAICの代表取締役社長である三浦亨氏に譲渡したことを発表した。株式譲渡は2014年1月20日付けで行われ、AICは同社の連結子会社から外れる。
譲渡価格は1株1円、8000円となる。アプリックスIPはすでに株式評価損7億3800万円を特別損失として計上済だ。同社は、2011年3月にパチンコ関連機器のオーイズミより、AICの全株式を6億8300万円で取得していた。

アプリックスIPは、同日、ソーシャルゲームを中心に展開するゲーム事業の子会社ジー・モードの全株式も7億5000万円にてONE-UPに譲渡することを発表している。アプリックスIPは1986年にソフトウェア開発として設立、独自の技術で急成長した。2010年代に入り知的財産関連事業としてゲームのジー・モード、アニメ製作のAIC、マンガ出版のフレックスコミックス、児童向け出版のほるぷ出版などを相次いで買収した。
しかし、当初期待した各社のシナジー効果が得られなかったとして、今回の2社の売却につながった。アプリックスIPはAICを取り巻く環境は厳しく業績は不透明とし、さらに代表取締役の三浦氏が独自の方向性を維持したいとしたことから会社創業から経営に携わる三浦氏が会社を買い取るかたちになった。アプリックスIPは、今後はソフトウェア事業に再び注力することになりそうだ。

AICは三浦亨氏らが設立した老舗のアニメ製作会社である。「天地無用!」シリーズや『バブルガムクライシス』など数々の人気作品を生み出した。OVAや深夜アニメなどの制作に強みをみせる。
しかし、近年は資本関係が不安定な状況が続いている。2000年代半ばに株式の一部を投資ファンドのMCPシナジー1号投資事業有限責任組合が保有、その株式を譲渡するかたちで2010年9月にオーイズミが同社を買収した。しかし株式保有期間わずか8ヶ月で、2011年3月にアプリックIP(当時アプリックス)に再譲渡された。このアプリックスIPの株式保有もわずか3年というかたちとなった。
今回は三浦氏がMBO(経営者による企業買収)で、AICは創業者が保有、直接経営することになる。しかし、AICの現在の状況は必ずしも明るいわけでない。同社は過去3年連続最終赤字で、平成24年12月期は売上高18億2900万円あるものの営業損失2億9600万円、経常損失2億9900万円、純損失3億500万円と大きな赤字を計上している。純資産は6億6000万円のマイナスだ。最近は一部スタッフの独立も伝えられている。アニメビジネスをよく知った三浦氏のもと、経営の立て直しと事業の拡大を目指すことになる。