浜野保樹氏が死去 62歳 日本のコンテンツ振興に尽力

東京工科大学メディア学部教授、東京大学名誉教授の浜野保樹氏が、2014年1月3日に脳梗塞のため亡くなった。62歳だった。
浜野氏は1951年生まれ、国際基督教大学を卒業後、学者としてコミュニケーション論、メディア論、コンテンツ産業論などの分野で研究活動を続けた。1999年に東京大学大学院新領域創成科学研究科に移り、その後は2012年までここで教鞭をとった。在任中は、コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム実施するなどコンテンツのクリエイター、プロデューサーの育成も行った。2012年に東京大学を退官、東京工科大学メディア学部教授に着任した。
主な著書には、『模倣される日本 : 映画、アニメから料理、ファッションまで』(祥伝社)や『表現のビジネス』(東京大学出版会)、『メディアの世紀』(岩波書店)、『アニメーション監督原恵一』(晶文社)、『極端に短いインターネットの歴史』(晶文社)などがある。

浜野氏の業績は学問分野に加えて、日本のコンテンツ文化、産業振興への貢献を抜きに語ることは出来ない。早くから日本のコンテンツの国際競争力の強さを主張し、コンテンツ分野を代表して国に意見をする機会も多かった。また、政府の専門委員会、調査会などで数多くの役職を歴任し、コンテンツ政策に自らが関わることも多かった。
生前は、文化庁メディア芸術祭運営委員、国際マンガ賞実行委員、デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー/AMD アワード審査委員長、財団法人徳間記念アニメーション文化財団評議員、IGポート監査役などを務めていた。役職の多さ、広がりは、浜野氏の活躍が多方面に亘っていたことを示しているだろう。

また、アニメーションに対する理解が深いことでも知られていた。文化庁メディア芸術祭立ち上げの際には、これまで国がほとんど関与することのなかったアニメーションとマンガを対象分野とすることに尽力した。それが、その後のアニメーション関係者への顕彰にもつながった。
早くからアニメーション監督の原恵一氏の才能を評価していたことでも知られる。アニメーション関係者の知己もとりわけ多く、突然の死去は多くの人を驚かせた。その早すぎる死を悼む声が広がっている。