オタコン2013 米国・ボルチモアリポート(3) コスプレ天国

22453by ロミ

■ コスプレ天国

アメリカのコンベンションと言えば、コスプレ。最近ではすっかり”Cosplay”という言葉も定着してきたようで、ニュースでも使われるようになってきている。(しかもSF系コンベンションなどで、日本のアニメや漫画とは無関係でも使われている。)

コスプレ大好き老若男女が集まるオタコン。そんなアメリカにも進撃していたのがまさに『進撃の巨人』であった。調査兵団コスプレのなんと多いことよ。アーティスト・アレイ*でも同人イラストでリヴァイ兵長を見かけたりもした。
海外でも人気の秘密はやはり“巨人vs.人類”という構造が持つストーリーのわかりやすさ、ではないだろうか。アジア人の登場人物が少なく、ほとんどがヨーロッパ系というところに加えて(金髪や赤毛率高し)、特徴的なユニフォーム(ショートジャケットや立体機動ハーネスは体格を良く見せる)、さらに仲間同士示し合わせてグループとして参加できる(あるいは“仲間”を見つけられる)、などコスプレしない理由が見つからないくらい、レイヤーにとってはぴったりの素材なのだ。

* アマチュアやセミプロのアーティストが同人誌やイラストなどの即売会を行う場所。初期コミケのような雰囲気。

abesanひとつ気づいたことと言えば、必ずしも皆が日本のアニメや漫画のコスプレをしている訳ではない、ということ。コンベンションセンターの入り口、エスカレーター付近は2階まで吹き抜けのホールとなっているため、そこに多くのコスプレイヤーたちが集い、写真を撮ったり撮られたりしていた。中には、『ONE PIECE』の黒ひげなのか、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のキャラなのか見分けのつかない人もいれば、(日本以外の)世界規模で大人気のゲームシリーズ『HALO』のスパルタン部隊と思われる“超兵士”たちの一軍が記念撮影をしていた。

オタコンのポリシーとしては、“オタクなものならなんでもOK”というスタンスで、日本起源かどうかというのはあまり問題ではないとのこと。来場者数が増えれば増えるほど、どこまでがオタコンの扱う範囲となるかは、比例してあやふやになっていく。
起源がどこであろうと関係なく、オタクな趣味を共有する仲間と楽しく過ごせる場所と機会を提供する、というコンベンションとしての役割を十分果たしているのであれば、オタコンの存在意義もさらに増し、今後の有機的な成長にも繋がっていくのだろう—そんなことを思いつつ、BBCの『シャーロック』やハズブロの『My Little Pony』、そしてアメコミの『キック・アス』をも内包するオタコンの懐の深さに筆者は脱帽する。

■ まとめ

実はカニを(無事に)食べ終えた後、ホテルでオタコンスタッフの打ち上げが祝賀ホールであるというので覗いてみたのだが、そこでは300人ほどのボランティアスタッフがテーブル席を埋め尽くしていた。これでもほんの一部で、スタッフは総勢800人と聞いた。
今年も無事、大会を終わることができて皆満足げな表情を見せている食事風景だった。(鬼上司として知られているのか、大会チェアマンのTerry Chu氏の超特大顔写真をマスクにしてスタッフを追い回している部門長の姿があった…そんな遊びもできる余裕ができたのだろう。)

筆者にとっては初めてのオタコン参加であったが、非常にスタッフ同志の息があっているように思えた。そこには20年間続けてきたという誇りと、2017年からはアメリカ合衆国の首都・ワシントンD.C.において日米文化交流を担っていくのだ、という揺るぎのない自負のようなものがうかがえた。
(参照記事:米国オタコン 来場者は過去最高 2017年にワシントンDC移転を発表 http://animeanime.jp/article/2013/08/13/15176.html

1994年、第1回大会を350人という来場者数でスタートさせ、今やオタコンはその約100倍の集客数を誇る。
筆者は足を運べなかったが「Otakon Museum」という、オタコンの歴史をたどる展示もあったようだ。第1回大会のプログラムガイドや入場バッジなどを展示していたそうだ。まさにオタコンの歴史館だ。これまでの20年を振り返り、そしてこれからの10年、20年後の成長を楽しみにしていてください、そんなメッセージが込められているのだろう。

日本では二十歳が成人となる年齢だが、アメリカでは一部を除き飲酒は21歳以上からと定められている(選挙権は18歳以上)。いわば今年がオタコンの日本側の成人式で、来年がアメリカ側の成人式、と言えるだろう。
これからもコンベンションとして立派に成長していってほしいものだ…と思ったら、なんと2014年1月には、ラスベガスでオタコンの姉妹イベントが初めて開催されるとのこと。その名もOtakon Vegas。両大会を主催する非営利団体のオタコープ(Otakorp, Inc.)は新しい試みにも意欲的なようだ。ぜひとも初心を忘れずにこちらも良い大会に成長していってほしいものである。

ちなみに、オタコンの大会マスコットキャラはヒロコ(ショートヘア)とヒロシ(ポニーテイル)、という赤毛の姉弟だそうだ。ひょっとして、二人の赤毛はボルチモア名物のカニに由来しているのだろうか…?

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■ おまけ

最後にこんなエピソードを—

筆者はシカゴ経由で帰国したのだが、シカゴのオヘア空港で免税品店の若い男性店員さんと話をした。店員さんは筆者が日本人と知るとすかさず「じゃあ、ナルトだ!」と言う。

「(少年ジャンプの)NARUTOを知ってるの?」と訊ねると、
「Narutoでしょ?えーとホラ、Tokyo-Naruto Airportの…」
「ああ、Narita! 成田空港ね!」
「そうそう、Naritaだ!Narutoってテレビとかでよく聞くから、てっきり空港の名前がNarutoだと思ったよ。」

あははは、と店員さんとまるでシチュエーションコメディーのように大声で笑ってしまったが、確かに”Narita”も”Naruto”も海外の人には音が似て聞こえるし、それだけNarutoが一般層にも浸透している証拠なのか、と逆に感心した。

どうだろう、この際クールジャパンの一環として、成田空港の英語名を『NARUTO INTERNATIONAL AIRPORT』に改名してみては?ポケモンジャンボだって空を飛んでいる時代。木ノ葉マークを冠した空港があってもいいではないか。

END