オタコン2013 米国・ボルチモアリポート(2) ライブコンサート大盛況

土曜日、コンベンションセンターのまわりをぐるっと囲む入場待ちの人の列。
土曜日、コンベンションセンターのまわりをぐるっと囲む入場待ちの人の列。

by ロミ

■ ファンが待ちわびたコンサート

20周年記念大会の目玉のひとつと言えば、なんと言っても著名アーティストによる音楽コンサートである。土曜日にはHOME MADE 家族、T.M.Revolutionが前述のように地元アリーナで、日曜日には石川智晶さん、菅野よう子さんがバルチモア・コンベンション・センターの特設ステージでパフォーマンスを行った。筆者が目撃したのは、まさに“熱狂的”なファンの歓迎ぶり。

土曜日は、ボルチモア・コンベンションセンターから徒歩10分のファースト・マリナー・アリーナ(1st Mariner Arena)でHome Made 家族が先陣を切ったが、次々にアニメOP/ED曲を披露していくと、ファンも一緒に歌詞を口ずさむ。馴染みやすいメロディーと英語のフレーズですかさず観客とキャッチボールをしてみせる。会場全体が大きなファミリー(家族)になったよ!と言わんばかり。

そして次のT.M.Revolutionを待つ間に、自然と観客からは「TMR!TMR!」というコールが始まり、ついに登場した際には割れんばかりの拍手と歓声が沸き上がっていた。次々に曲を披露していく合間のMCで、西川貴教さんは英語と日本語を交えつつ、オタコンに再び来られた嬉しさを語っていた。
前回のオタコン参加は2003年ということで、まさに10年ぶりのステージ。そして今回は西川貴教さんがアニメミライ広報大使としての役目も果たすためにオタコンを訪れていることにも触れた。
さらに前述の『Heart of Sword』をファンと共に歌い上げた後、アンコールに応えていったが、なんと最後にはHOME MADE 家族と共に歌うという夢のコラボにファンの熱狂ぶりも最高潮となった。

日曜日は、ボルチモア・コンベンションセンターの特設会場で約2千人のファンが固唾を飲んでステージを見守る中、石川智晶さんが神秘的な映像と伸びのある歌声で独特な雰囲気を作り上げていった。開場全体が彼女の世界観に包まれるような印象となった。続く菅野よう子さんのピアノ演奏をどれだけのファンが待ち望んだことだろうか。熱望するファンのために、ステージの様子をライブ上映する部屋が設けられ、入りたくても入れなかった観客はそこで楽しめるよう、大会側も配慮したようだ。

あまりに有名な『カウボーイビバップ』のOP曲「Tank!」から始まり、次々に流れるピアノの音では初めての、けれども馴染みのあるメロディーに、観客は耳をすませ、時には一緒に歌い、さらに手拍子で応酬する。1/3を過ぎたあたりからのプロジェクション・マッピングを用いた、モダンアートのインスタレーションのような演出には、誰もが驚いたに違いない。
ピアノに映し出された映像が、何と拍手や声援に反応するのだ。これまでのイベントコンサートの概念を打ち破る、聴覚だけでなく視覚をも巻き込んだインタラクティブ型のパフォーマンスを堪能する、そんなステージだった。

終わった瞬間、私を含めて、皆一抹の寂しさを感じたはずである。それは、菅野よう子さんが海を越えてもたらした音楽へのリスペクトと、それを皆で分かち合った時間を大切にしていきたいという思いの現れで、ファンが集う夏の祭典の20周年の締めくくりとして、これほどふさわしいものはなかっただろう。
日本から来てくれて、こんなすてきな体験をありがとうーーと言わんばかりに、会場中でスタンディングオベーションが幾度も起き、鳴り止まない拍手と歓声が、その感動を伝えていた。

abesan■ ディーラーズルーム見聞録

さて、一般参加者がわざわざ入場料を支払ってまで大会へ足を運ぶのにはいろいろな理由があるが、ディーラーズルームでの買い物は大きな動機付けの一部となっている。日本のように秋葉原やアニメイトが全米各地にあるわけではないので、ネット通販の除けば、こうしたコンベンションでの販売が自分の好きな作品のマーチャンダイズを手に入れる唯一の機会ともいえる。ことにオタコンのような東海岸随一の規模ともなれば、様々な種類のグッズが売られ、掘り出し物や人も羨む戦利品をゲットしようと、連日大にぎわいだ。

筆者はそれまで忙しく立ち回っていたため、ディーラーズルームを訪れることができたのは日曜日の朝。しかもスケジュールの都合上、開場前のディーラーズルームに入れてもらったが、まだ閉まっている入り口前にはなんとも長い列が。ここはお台場か幕張か…扉が開くのと同時に人の波が押し寄せる。ただし、階段を降りなければならないせいか、走り出す人はいなかった。

今回ディーラーズルームにブース出店していた、Anime Pavilionさんに話を聞いた。アニメDVD/Blu-rayや英語版漫画単行本を取り扱う店だ。『るろうに剣心 特筆版』の売れ行きを聞いてみると「5~6箱(約500~600冊か?)仕入れたけど、見る見るうちに売れてくよ。」とほくほく顔。

また大会期間中、アルパカのぬいぐるみをそこかしこで見かけたが、どうも女の子の間で流行っているようだった…ディーラーズルームでは、DVDやBlu-ray、ポスターやフィギュア、抱き枕など、どちらかと言えば男性ファン向けのものがこれまで多かったのだが、ここのところに来て、ゴスロリやウィッグなど女性向けのアイテムも増えている。アニメコンベンション拡大の一翼を担っているのが、女子率の増加であることは間違いなさそうだ。