アジア・オセアニア地域でネット・電子書籍展開目指す 紀伊國屋書店と産業革新機構

日本企業がインターネットによる書籍、電子書籍販売で、アジア市場を目指す。書籍小売チェーンの大手の紀伊國屋書店は、アジア地域でEC事業を展開するアジアンベイシス株式会社(ABC)を設立、同地域でのEC事業に乗りだす。
ABCは紀伊國屋書店とインフォシティが出資、2013年4月に設立した。ABCが第三者割当のかたちで増資、紀伊國屋書店と、さらに産業革新機構が最大20億円までを引受ける。
本社は東京となるが、今後、シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、オーストラリア、UAE(アラブ首長国連邦)などで順次子会社を設立する。北東アジアから東南アジア、中東、オセアニアまで視野に入れ、グローバルなネット通販事業を展開する計画だ。

紀伊國屋書店は国内大手の書籍チェーンとして知られるが、長年海外事業にも積極的だ。1969年以降海外に書籍店舗を展開する。当初は、在外邦人向けから始まったが、現在は、現地の顧客からも幅広く利用されている。
2013年現在の海外店舗数は25店舗、ASEAN諸国18店舗のほか、米国、オーストラリア、ドバイなどに展開する。新会社ではこうした海外ビジネスのノウハウが活かすことになる。
また、インターネットビジネスでは、国内でネット書店BookWeb、電子書籍配信サービスKinoppyを手がけている。国内だけでなく、海外でもリアルの書店からネット上のサービスに書籍購買のニーズが移っている。そこで紀伊國屋書店は海外でも、ネット上のビジネスに積極投資する構えだ。

新会社に出資する産業革新機構は、次世代産業の振興を目指して設立された国策会社である。総額2兆円までの投資が可能で、コンテツ・IT分野でも様々な投資を行う。これまでにインターネット活用企業の海外展開促進を目的とするグロザス、電子書籍のビジネスインフラ整備の出版デジタル機構、日本コンテンツの海外映画展開を手がけるAll Nippon Entertainment Worksなどに出資した。
新会社は、紀伊國屋書店の海外のリアル店舗を活用し、さらにそれをEC事業に結びつける。さらにこれに日本と現地の他の事業者の参画も目指す。各国語の書籍、日本発の文化関連商品、電子書籍の取り扱いも視野に入れる。
これによりオールジャパン体制で日本商品をアジアに供給する流通チャンネルを構築する。こうした点が、産業革新機構の狙いと合致したとみられる。

紀伊國屋書店 http://www.kinokuniya.co.jp/
産業革新機構 http://www.incj.co.jp/