日本動画協会 「児童ポルノ禁止法」改正案に対する反対声明を公表

アニメ製作企業の同業者団体である一般社団法人日本動画協会は、6月4日、5月29日に国会に提出された児童ポルノ禁止法の改正法案に反対する声明を発表した。
本改正案は、現行法の児童ポルノの販売に加えて、単純所持に罰金などの罰則を設けることを明記している。児童ポルノの定義を拡大し、またインターネットなどの電磁媒体も含むとしている。さらに、今後、マンガやアニメ、CG、さらに疑似児童ポルノに関する調査研究を行うとする。

これに対して日本動画協会は、児童ポルノ禁止法の本来の目的である「性的搾取及び性的虐待から児童を保護する」ことには反対しないが、改正法案が児童保護を重視するあまり、必要以上の表現規制を招きかねない危険性があるとしている。
また、その点に配慮が欠けていることに重大な懸念を抱かせるとする。また、調査研究について附則に規定すべきではないとし、改正法案に反対する。

今回の改正法案はその提出前より、児童ポルノの定義の不明確さや、恣意的な取り締まりが可能になるとしてマンガやアニメ、メディア関係者から批判が大きかった。それが、実際に国会に提出されたことから、表現に関わる団体などから相次いで反対が表明されている。
日本動画協会以外にも、これまでに日本アニメーター・演出協会、日本漫画家協会、日本マンガ学会、日本雑誌協会、日本書籍出版協会、全国同人誌即売会連絡会などが改正法案への反対を表明している。

日本動画協会は、アニメ文化・産業の発展、振興を目指すため、アニメ製作者の団体として2002年に設立された。現在は、正会員社34社、準会員社27社が参加する。日本のアニメ製作に関わる製作会社、プロダクション、映像ソフトメーカーなどの主要企業が参加する。国内最大のアニメ製作者団体である。

日本動画協会
http://www.aja.gr.jp/

[一般社団法人日本動画協会による声明全文]

「児童ポルノ禁止法」改正案に対する反対声明
2013年6月4日
                                 
一般社団法人日本動画協会
理事長 布川 郁司

本年5月29日、児童ポルノ禁止法の改正案が国会に提出されました。
一般社団法人日本動画協会は、以下の観点から本改正法案に反対を表明いたします。
本改正法案は、児童ポルノに類する漫画等(漫画、アニメ、CG、疑似児童ポルノ等)と 児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を行い、 その結果に基づく必要な措置をする旨を検討規定とするものです。
児童ポルノ禁止法は、そもそも、「性的搾取及び性的虐待から児童を保護する」ことを 目的とするものであって、この趣旨において本協会は何ら反対するものではありません。
しかしながら、児童ポルノに関する表現については、刑法等既存の法律によって 規制を行うことで必要十分なものであって、本改正法案は、児童保護を重視するあまり、必要以上の表現規制を招きかねない危険性を内包しています。
以上の観点に対する配慮が欠けていることに重大な懸念を抱かせるものであり、調査研究についてわざわざ附則に規定すべきではない、と思料し反対するものであります。