角川グループHD通期決算は増収増益 映像部門増収増益で黒字転換

角川グループホールディングス(角川グループHD)は、4月25日に平成25年3月期の通期決算を発表した。連結売上高が1616億200万円と前年比で9.6%増となったほか、営業利益は79億5100万円(同40.6%増)、経常利益は86億6100万円(46.7%増)、当期純利益は50億4000万円と利益面でも好調だった。
同社は2013年10月に主要子会社9社を吸収合併、商号も株式会社KADOKAWAに変わる予定だ。角川グループホールディングスとしては最後の決算となるが、新しい体制に向けた満足できる決算だったといえるだろう。

利益の大きな伸びは、業績好調だった部門に加え、これまで業績が厳しかった雑誌・広告関連や映像関連などの収益が改善した影響が大きかったとみられる。
映像関連事業では、『貞子3D』のヒット、アニメの映像ソフトが好調だった。映画ではこのほか『図書館戦争 革命のつばさ』、『天地明察』を売上げに貢献した作品としている。同様にアニメの映像ソフトでは『氷菓』、『ストライクウィッチーズ劇場版』、『僕は友達が少ない』、『STEINS;GATE Blu-rayBOX』がヒット作として挙げられている。
また、洋画配給作品のコスト管理やシネコン事業でのコスト削減を推進した結果、赤字から黒字に転換した。期中にシネコン事業の大半の売却も実施しており、今期もよりスリムで利益のでる体制が維持される。
雑誌・広告関連事業も、固定費の削減、不採算部門の整理が功を成した。市場全体が縮小するなかで、今期はドワンゴとの合弁会社スマイルエッジを通じてネット広告に事業成長の活路求める。

コア事業である書籍関連は、一般文庫が引き続き好調、ライトノベルも堅調だった。ただし、コミックスは底打ち傾向にあるが、依然、厳しいようだ。
ライトノベルのヒット作は『ソードアート・オンライン』川原礫(アスキー・メディアワークス)、『僕は友達が少ない』平坂読(メディアファクトリー)、『ハイスクールD×D』石踏一榮(富士見書房)である。またコミックスのヒットは『新世紀エヴァンゲリオン』貞本義行(角川書店)、『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ(エンターブレイン)、『乙嫁語り』森薫(エンターブレイン)、『となりの関くん』森繁拓真(メディアファクトリー)のタイトルが挙がる。

今期以降は、電子書籍市場や海外市場を視野に入れ成長戦略を描く。電子書籍では電子書籍配信プラットフォーム「BOOK☆WALKER」を中心とし、かつ外部販売サイトへのコンテンツ配信も強化する。市場の成長に合わせた収益拡大を目指すことになる。
海外は出版事業が好調だった台湾、映画事業が中心の香港などを軸に、まずアジア市場攻略が鍵になりそうだ。

角川グループホールディングス
http://www.kadokawa-hd.co.jp/