ユナイテッド 角川シネプレックス取得でシネコン経営を拡大 シネコン業界さらに激変

映画興行、配給事業のユナイテッド エンターテイメント・ホールディングスが、3月29日付で角川グループパブリッシングが保有する角川シネプレックスの全株式を取得することが明らかになった。これと併せて、ユナイテッド エンターテイメントHDは角川グループHDと戦略的業務提携を結ぶことで合意した。映像とその周辺事業での協業を目指すことになる。

ユナイテッド エンターテイメントHDは、グループ会社ユナイテッド・シネマを通じて全国に21のシネマコンプレックスを運営する。(3月開業予定を含む) 国内第4位の規模のシネコンチェーンだが、実際にはワーナー・マイカル・シネマズ、TOHOシネマズの2つが規模で抜け出している。また、角川シネプレックスのシネコンは12カ所、競争が激化するシネコン業界ではネットワークがやや弱い。
このふたつが一緒になることで、ネットワークが大きく広がる。ユナイテッド エンターテイメントHDは33のサイト、300スクリーン以上とMOVIXを抜き、業界第3位となる。ワーナー・マイカル・シネマズ、TOHOシネマズのおよそ500スクリーンにはまだ及ばないが、4位以下を大きく引き離す。事業規模拡大によるシナジー効果、コスト削減などで競争力が増すとみられる。

角川グループHDは角川書店による2つの直営映画館の運営が残るものの、シネコン事業からは撤退する。系列のシネコンはなくなるが、今後ますます競争が増すとみられる映画興行のビジネスリスクを切り離すことが出来る。
ユナイテッド エンターテイメントHDは角川グループの製作・配給映画、ODS興行で協力するとしている。角川グループHDは一方で引き続き映画興行のネットワークが確保できる。ユナイテッド エンターテイメントHDとの提携を確かなものとすれば、東宝、東映、松竹と比べて弱いとされてきた興行網をむしろ拡大出来る。

今回のユナイテッド エンターテイメントHDと角川HDの動きには、近年、映画興行業界の競争が増していることが背景にある。
2000年代に入り、映画興収は年間2000億円程度と安定している。一方で、映画上映をするスクリーン数は、シネコンの普及により1990年代半ばの1750程度から2010年には3412まで拡大した。これが1スクリーンあたりの売上げ減少につながっているとみられる。2011年、2012年には2年連続でスクリーン数が減少した。
そうしたなかでワーナー・マイカル・シネマズでは、大株主のワーナーが自社の全持ち株を事業パートナーのイオンに売却している。ユナイテッド・シネマズも、2012年に経営が住友商事から投資ファンドのアドバンテッジパートナーズに移ったばかりだ。新たな経営のもとで、規模を拡大することで生き残りを図る構えのようだ。今後は、上位3グループに規模で引き離される他のシネコン運営企業の動向が注視される。

ユナイテッド エンターテイメント
http://www.united-ent.com/
角川ウループホールディングス
http://www.kadokawa-hd.co.jp/

角川シネプレックス
http://www.kadokawa-cineplex.co.jp/
ユナイテッド・シネマ
http://www.unitedcinemas.jp/