スクエニ中間決算 FFⅦAC好調も経常減益

ゲーム会社大手のスクウェア・エニックスの平成18年3月期、平成17年9月中間決算が発表された。発表によれば連結中間決算は、売上高は270億9100万円と前年同期比11.1%増加となったものの、営業利益は24億8400万円(同58.3%減)、経常利益は27億3000万円(同55.5%減)と大幅な減収となった。
 
営業減益は、ゲーム事業で売上高が増えたにもかかわらず採算悪化したことが原因である。ゲーム事業の売上高は86億700万円(前年同期比6.3%増加)だったが、営業利益は8億4200万円のマイナスに転じた。売上を支えたのは『ロマシングサガ-ミンストレルソング-』(45万本)、『グランディアⅢ』(25万本)といった作品である。
海外では北米市場で『RADIATA STORIES』(12万本)、『鋼の錬金術師2赤きエリクシルの悪魔』(7万本)、ヨーロッパ市場では『キングダム・オブ・ハーツ2チェイン オブ メモリーズ』(20万本)が好調であった。

次世代のゲームとされているオンライン事業では、ファイナルファンタジーⅩⅠの会員が増えているとされているが、営業利益だけでなく、売上高も減少している。オンラインゲームにおけるビジネスモデルの確立がまだ道半ばと言えそうだ。また、コミックやゲーム攻略本を発行する出版部門も売上高を減らしており、関連事業が必ずしも好調でない。
一方、対照的なのは、ライセンス管理とスクール経営、そして今期映像作品『ファイナルファンタジーⅦ アドベントチルドレン』の販売を行ったそのほか事業部門である。同部門は、『FFⅦ アドベントチルドレン』の好調な売上により前年同期比229.4%増と大幅な伸びとなっている。
スクウェア・エニックスは11月6日に、同作品の好調な売上を理由に、9月中間期の業績予想の上方修正を行っている。しかし、今回発表された内容は11月6日の上方修正後の業績をも上回っており、同作品の好調さが続いていることを示していそうだ。
 
海外市場別では、北米市場が売上高38億2500円で前年同期比36.3%減、ヨーロッパ市場が3億9500万円(同19.0%減)と減らした。これに対して、中国を含むアジア市場は売上高16億6400万円と前年同期比288%と大きく増加した。
このアジア市場の売上高の多くの部分が、中国市場を主とするオンラインゲーム『クロスゲート』からのものと考えられる。従来、海賊版が多くて利益がでないと考えられていたアジア市場だが、スクゥエア・エニックスのアジア事業に問題解決の糸口がありそうだ。

通期の業績は、本年9月に株式公開買付けで買収し完全子会社化するタイトーの売上高が加わるため連結売上高は拡大する。しかし、売上規模でスクウェア・エニックスを上回るタイトーであるが、1株当りの利益などではスクウェア・エニックスに見劣りがする。
来期以降はタイトーの事業をどのように活性化するかが、同社の今後のビジネスの課題であるといえるだろう。通期の連結見通しでは、売上高は1360億円、経常利益は285億円、純利益は175億円を見込んでいる。