角川HD中間決算 アニメ権利ビジネスも重点課題

大手エンターテイメント企業グループの角川ホールディングス(角川HD)の18年3月期の9月中間決算が11月4日に発表された。今年8月に株式交換を用いて日本ヘラルド映画(現角川ヘラルド・ピクチャーズ)を完全子会社化したことから同社が連結対象企業になり、中間売上高は前年比22.5%増の715億6800万円と大幅な増加となった。しかし、連結営業利益は47.5%減の20億6800万円、経常利益は22億9000万円と大幅に減少した。
このヘラルド・ピクチャーズ部門以外では、雑誌、書籍、映像ソフト、デジタルコンテンツの各分野は堅調に推移した。通期の連結業績予想は売上高1500億円、経常利益74億円、当期純利益31億円とされている。
角川HDによれば、平成11年にはグループ売上高、利益の中でほぼ半分をしめていた角川書店の割合は、平成17年にはそれぞれ約36%と約30%となっている。相対的に出版事業以外の分野の比重が増しているといえる。

角川HDの特徴は、劇場映画を含む映像部門と出版部門を兼ね備えている点にあるだろう。角川HDは出版だけであれば小学館や講談社に及ばないし、映画配給に関していえば東宝よりだいぶ規模は小さい。しかし、この両方の機能を持つ企業は日本ではほかになく、映画や出版を組み合わせた独特の強みで日本のエンターテイメント業界に大きな影響力を持っている。

こうした中で、角川HDは今後取り組むべき3つの課題として①グループ経営体制の強化、②成長力の強化、③新規海外市場の開拓を挙げている。この中で特に注目すべきは3番目の新規海外市場の開拓である。米国、アジアへの積極的な進出を行っている同社だが、今後さらに収益拡大を狙い海外展開が目指されるようだ。
角川HDは海外展開の中でも、とりわけコミックとアニメを中心とした権利ビジネスの拡大とリメイク権の販売に言及している。また、アジア地域、北米地域に現地法人を設立する方針も表明している。
 
角川グループのアニメの海外進出は、現段階でも出版分野でアニメ誌『ニュータイプ』の英語版と韓国語版の発刊や台湾アニメイトへの出資などがある。また、ADヴィジョンと共同製作した『強殖装甲ガイバー』のほか、先日発表された米カートゥーンネットワークと共同製作するアニメ版『ガメラ』などアニメ製作にも意欲的である。