アニメ!アニメ!の選ぶ2008年 アニメビジネス10大ニュース‐2‐

2. パッケージビジネスと企業の動向

■ 次世代DVD規格に決着 アニメBD市場急拡大
■ GDH、JDC信託 投資会社傘下へ

テレビ放送と並ぶ、アニメビジネスの柱である映像パッケージビジネスも大きな変化があった。2008年2月に、これまで激しい競争が行われていた次世代ディスクの規格争いが決着した。HD DVD陣営の東芝が完全撤退を発表した。
これをきっかけに、Blu‐Ray Disc(BD)の商品発売が一気に拡大した。いち早くアニメBDのライナップを拡大したのはアニメ映像パッケージ最大手のバンダイビジュアルである。『コードギアス』、『マクロスF』、『ガンダムOO』などのBD出荷は、既にDVDに匹敵する規模になっている。また秋にはジェネオン エンタテイメントも、アニメBDの強化を表明するなどBDビジネスが活気づいている。
しかし、アマゾンのBDランキングの上位のほとんどをアニメタイトルが占めるなど、アニメファンに較べて一般レベルでのBD普及は遅れている。BDがかつてのLDのようにマニアのためのメディアになる可能性も指摘されており、今後のさらなる市場の行方が注目されている。

バンダイビジュアルは、これまで上場企業として独立していたが、バンダイナムコホールディングスのTOBなどにより、同社の完全子会社となった。グループの連携を強化することで、厳しさを増す今後のアニメDVD市場を乗り越える構えだ。
また、アニメ作品にも強みがあるジェネオン エンタテインメントは、米国メジャーのNBCユニバーサルのグループ会社となった。今年2月にユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンと合併する。より大きな枠組みで市場攻略を目指す。

企業再編で2008年のアニメ業界に最も大きな印象を残したのは、いわかぜキャピタルによるGDHの買収である。DVD事業の不振を表明していた業界大手の同社は、今年9月に投資ファンドのもとで経営再建を図ることを選択した。
また、コンテンツファンドのJDC信託やウェッジホールディングスも、投資ファンドの傘下に入っている。これ以外にもアニメ、マンガ、ゲームのコンテンツ関連で経営を悪化させる新興上場企業が相次いでいる。それに伴い経営が堅調な企業の株価も低迷するなど、コンテンツ関連企業のエクイティファイナンスが大幅に減少した。

3. 劇場アニメの動向

■『崖の上のポニョ』大ヒット
■『空の境界』単館ビジネスから大ヒット

劇場興行では、宮崎駿監督の作品が相変わらずの強さを発揮した。『崖の上のポニョ』は主題歌のヒットなどでも話題を呼び、最終で160億円近い2008年でNO1の興収をあげるとみられている。
ジブリ映画だけでなく、『ポケットモンスター』や『ドラえもん』、『名探偵コナン』など、シリーズものの劇場アニメはどれも好調を維持した。キャラクターブランドの力の強さが目立った一年である。

一方で、単館ロードショーでシリーズを上映し、大きな人気を獲得した『空の境界』も話題を呼んでいる。劇場興行2億円に加え、シリーズで40万枚を超えるDVD出荷が業界を驚かせた。
同作品の成功は、2006年の『時をかける少女』や2007年の『エヴァンゲリオン』にも通じるものがある。公開規模を小さくし、劇場を満員とし、作品への熱狂が生まれる。口コミでビジネスを拡大して行くものだ。全国ロードショーと異なる劇場公開の方法として、今後も参考にされるケースが増えるだろう。

その3に続く