アニメ!アニメ!の選ぶ2008年 アニメビジネス10大ニュース‐1‐

■ テレビ東京 人気アニメの国内放送と海外同時配信発表
■ シンエイ動画 テレビ朝日の連結子会社に
■ 次世代DVD規格に決着 アニメBD市場急拡大
■ GDH、JDC信託 投資会社傘下へ
■ 『崖の上のポニョ』大ヒット
■ 『空の境界』単館ビジネスからの大ヒット
■ ディズニー 日本国内向けアニメ製作開始
■ 『スピードレーサー』劇場公開 日本マンガ、アニメのリメイクブーム加速
■ 中国CCTVで『ポケットモンスター』放映開始
■ 『つみきのいえ』がアヌシーでグランプリ受賞

1.変るテレビ局のビジネス

■テレビ東京 人気アニメの国内放送と海外同時配信発表
■シンエイ動画 テレビ朝日の子会社に

2008年の最も大きなトピックは、テレビ局の収益悪化である。首都圏キー局は軒並み利益を落とし、なかでも日本テレビとテレビ東京は経常利益で赤字予想となり大きな驚きを与えた。
テレビ局の収益悪化は一時的な現象というよりも、エンタテイメントの多様化、ネットメディアの伸長、多チャンネル化などによる長期的なトレンドとされている。このため各局は、番組制作費の圧縮や放映・広告以外のビジネスの拡大に益々力を入れている。

制作費の圧縮は、現在でも他の番組に較べてコストが高いとされるアニメ番組、特にゴールデンタイムや週末午前中のテレビアニメに今後影響を与える可能性がある。また、各局は収益率が高いとされるアニメの著作権ビジネスに関心を向けている。
2008年12月にテレビ東京が発表したアニメ番組の日本海外同時リリースもそうした流れの中にある。日本で放映したアニメ番組を、放送直後に海外のアニメファンに向けてインターネットで有料配信を行うものだ。
これは日本で放送されたアニメが、現地でテレビ放送、DVD発売される前にインターネット海賊版で視聴され、その需要が奪われていることへの対策でもある。一方でテレビ東京が自ら海外に有料配信をすることで、海外ビジネスに直接関わり、追加利益を確保する狙いもあると見られる。

10月には、テレビ朝日が『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』を制作する老舗のアニメスタジオであるシンエイ動画の出資比率を、これまでの14.6%から90%に引き上げた。同社を連結子会社化すると発表した。
これまでにもテレビ局が有力アニメ制作会社に出資し、アニメ製作を有利に進めるケースはあった。しかし首都圏キー局が、アニメ制作会社を連結子会社にする初めてのケースである。人気長寿アニメ『ドラえもん』と『クレヨンしんちゃん』のビジネスにより深く関わりたいテレビ朝日の意図が伺われる。2009年以降も、アニメの権利ビジネスにより深く関わろうとするテレビ局の試みは続きそうだ。

一方で、テレビ放映枠を確保するために製作委員会などが、テレビ局に支払ういわゆる波代に対する不満は多い。このため最近では、波代の高い首都圏キー局を放映から外す動きや、OVA作品としてテレビ放映を行わないケースも増え始めている。
また、これまでは再放送局とみられていたアニメ専門チャンネルが製作に関わるケースが増え、地上波との放映開始時差も急激に縮まってきている。今後、アニメのテレビ放送の形態がさらに大きく変わる可能性がある。

その2、その3に続く