2012年アニメビジネス10大ニュースbyアニメ!アニメ!-3-

[アニメビジネス、作品を支えるファンとの関係]

また2012年はイベントが注目される年でもあった。数々のアニメイベントが実施されたが、春に初開催されたアニメコンテンツエキスポは、悪天候にもかかわらず多くのファンを集め成功を収めた。すでに2013年も規模を拡大して継続開催される。今後、春のファンイベントとしてさらに期待されそうだ。
また、関西からのマンガ・アニメイベントを掲げ、9月に京都で開催された京まふも3日間で約2万4000人を集め盛況だった。こちらも2013年の開催に向けてすでに動いている。
一方、11年目を迎えた東京国際アニメフェアは、アニメコンテンツエキスポと開催日程が近かったこともあり苦戦し、来場者数を減らした。東京国際アニメ祭秋も、TIFFCOMにほぼ吸収されるかたちで存在感を発揮出来なかった。

アニメコンテンツエキスポは作品プロモーション、東京国際アニメフェアはビジネス見本市の側面が強いが、より収益を目指したイベントも2012年は拡大した。日本各地の巨大会場を巡回するワンピースグランドアリーナツアー、『ジョジョの奇妙な冒険』をテーマに仙台と東京で開催された2つの展覧会の成功などである。
ガンダムの室内テーマパーク「ガンダムフロント東京」のオープンも2012年、オープンは2013年になるが「少年ジャンプ」の室内テーマパークの開設もすでに発表されている。アニメやマンガをライブで楽しむ流れがこうした分野に広がっている。

一方、マンガ『黒子のバスケ』を巡る脅迫事件は、こうしたなかで起きた。会場で事件を起こすことを示唆する脅迫状で『黒子のバスケ』に関連するイベントを次々に中止に追いやった。アニメやマンガのイベントが、こうした攻撃に意外な脆さを持つことを露呈した。

[アニメビジネスを変える新興企業、老舗企業]

アニメ産業全体の景況は、テレビアニメ制作本数の反転やソーシャルゲーム関連、イベント関連の盛況で市場規模は上向きに転じている。2012年以降、アニメ製作出資の拡大を明らかにしている企業も多く、比較的安定した状況だ。
企業業績では、東映アニメーションが2012年3月期に過去最高の330億円の売上げ、経常利益も約54億円と高い水準となったことが大きなトピックだ。アニメビジネスがテレビ放映、映像ソフト中心からキャラクターライセンス、イベント、動画配信、ゲームなどに多角化するなかで、知名度の高い人気コンテンツを持つ企業の業績を押し上げている。

一方で、新しく設立された企業も注目だ。これまでとは違った作品は、より若い企業に期待される部分も大きい。アニメ業界はもともと老舗スタジオからスタッフが独立、新スタジオを立ち上げることが多いが、2012年は『おおかみこどもの雨と雪』のスタジオ地図、『坂道のアポロン』のMAPPAなどの活躍があった。メディアファクトリーから独立したかたちとなったオーバーラップも今後活躍しそうだ。
そのなかでIGポートが、プロダクション I.Gの若手スタッフによる新スタジオ WITスタジオをグループ内に設立したことが注目される。新しい挑戦と老舗企業のネットワークを同時に実現させる試みだ。