萌え株ブームは終わったか?

ここ数週間、新興関連株の調子がすぐれない。株式市場全体から較べてパフォーマンスの悪さが目立っている。それは4月に萌え株関連と騒がれたコンテンツ関連株も同様である。萌え株ブームは終わったのだろうか?

もともと萌え株ブーム自体曖昧なところがあり、そのブームの実際は“萌え”の名を借りたコンテンツ関連株ブームであった。勿論、ブロッコリーやまんだらけといった“萌え”を彷彿させる銘柄もあったが、むしろ多くの銘柄はアニメ、ゲーム、漫画といった領域に関わっているという点だけが評価された。
さらに下記の表を見ると判るように、コンテンツ関連株の中でもバンダイ、角川、スクウェアエニックスといった大企業は今回の萌え株ブームとほとんど無関係であった。つまり、今回の萌え株ブームとは中小型コンテンツ関連株に限定されたものだった。
この背景には2003年以降のコンテンツ産業に対する注目やIT、ネットブームの中でコンテンツが不足気味になっている一方で、こうした中小型コンテンツ関連株が過小評価されていたためであった。
こう考えると4月の萌え株相場は“根拠なき熱狂”ではなく、それなりの根拠があった相場だと言える。勿論、ガンホーの株価急騰の波及効果や浜銀総研の発表した萌え市場に関するレポートがきっかけを与えたことは間違いない。しかし、コンテンツ関連は判り難いといったイメージの中でその株価が過小評価されていたことに相場爆発の真の原因があった。

つまり、株式市場の中小型コンテンツ関連株の過小評価を訂正する動きが4月のいわゆる萌え株相場だったわけだ。しかし、過度の低評価の反動に加えて、中小型株特有の流動株の不足、さらに閑散相場の中でコンテンツ関連株に個人投資家が殺到したことから逆に極端な過大評価が起きたのが4月の中旬の動きである。
5月から8月初旬までのコンテンツ関連株の下落は、逆にこの過大評価を訂正する動きであった。下記の表を見てみると判るように、大企業を除くと現在の株価でもゲーム、萌え関連、アニメ、コンテンツ関連のほとんどの株は、萌え株ブーム以前の3月31日より高い株価を維持している。そして、これらは日経平均を始めとする市場平均を大幅に上回っている。つまり、萌え株相場以前に較べてこれらの企業への評価は確実に高くなったといえる。

それでは今後これらコンテンツ関連株はどうなるのだろうか。4月以前の過小評価の水準訂正、その後の過大評価の水準訂正が伴に終わり、現在は多くのコンテンツ関連株は本来のあるべき水準に落着いてきたと私は考えるがどうだろうか。
今後は、業界全体や個別企業の業績を反映した、あまり特別でない普通の相場になって行くと思われる。勿論、流動株の少ない中小型株の中にはさらなる反動で今後も下落するものもある可能性がある。しかし、そうした株も結局は本来あるべき場所に戻って来るに違いない。
[数土直志]    

(注)高値からの下落率は4月高値と8月5日の終値の差をもとに計算しています。