中国 コンテンツ輸入管理強化

中国共産党中央宣伝部、文化部及びその関連機関は、8月3日付で海外からの新たなテレビ、新聞、映画、放送、インターネットなどの広いメディアに対する輸入管理強化の方針を打ち出した。
これにより海外放送局の中国国内への新規参入は禁止され、輸入番組の検閲が強化される。このためロイターによれば、先に発表されていた米国のウォルト・ディズニー とバイアコムによる中国参入計画は無期限で延期されるという。
 
また今回の発表の特徴は、これまで規制の緩かった海外共同制作やオンラインゲーム、海賊版市場の管理強化される点である。海外共同制作の映画・ドラマ・アニメは立案段階での管理強化が図られ、作品放映にあたっては許可制が導入される。
オンラインゲームに関しては、性や暴力など青少年に「有害な内容」を含むかどうかなどが厳しくチェックされる。海賊版アニメ・映画のDVDに対しては、厳しい処置がとられることになる。中国市場における海賊版DVDの氾濫には、著作権侵害から問題が多いとされてきたが、この取締りが著作権とは全く別の方向から強化されることにもなりそうだ。
全体的な流れはこれまでの海外コンテンツに対する規制が、中国コンテンツの競争力強化の視点が強かった一方で、今回はメディア統制、言論管理の色合いが濃いことが特徴だといえる。
 
しかし、やはり疑問なのが中国政府の海外コンテンツ政策に対する一貫性のなさである。前回発表されたゴールデンタイムの海外アニメーションの放映規制は、杭州で行なわれた中国初の国際アニメーションビジネスフェアであった。今回は海外からも高く評価された上海の第1回「中国国際アニメ・漫画・ゲーム博覧会及びトップフォーラム」の終了直後である。
アメと鞭を使い分ける中国独特のバランス感覚と言えなくもない。しかし、これはむしろ中国政府の真意が開放なのか規制なのかの混乱を生んでいる。海外企業が中国に求めるのは、安心してビジネスが出来る環境と将来的にビジネスから利益をだせる道筋を示せることである。こうした混乱は海外企業の不信感を高めることになりかねない。
 
中国には国家対地方政府、政府機関と民間企業、国家の理念と商業主義といった幾つもの異なる視点がある。また、中国政府にとってテレビ、出版、インターネットも含んだメディアが、一般の産業とは政治的な全く異なるレベルであるのも確かである。
しかし、だからこそ、そうした中で安定したビジネスが行える確信を海外企業に与える必要があるのでないだろうか。